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皆様より寄せらせた 栄光の体験記
 2001年版(2)


■1 家族3人で (8/1 富士宮口) Yさん

 8月1日、家族三人でのぼりました。去年雨で六合目で挫折したので、今年こそはとの気持ちで行ってきました。この、ホームページで、持ち物など確認し、体験談を一通り読んで準備しました。富士の宮口から朝の三時に登り始めました。のぼり7時間、下り4時間の予定だったんですが、のぼり8時間、下り6時間かかりました。小3の娘は、五合目から、少しのところで、もう苦しくなり、この先どうなるのかと、心配しましたが、よくがんばってくれました。酸素は、おまじないと書いてありましたが、ホントですね。。娘は、5歩歩いては吸っていました。上手に吸えないのですが、口にあててシュとすると、楽になったと歩き始めました。本当に、おまじないです。
 時間をかけていったので、なんとか頂上までいけました。頂上へ、ついて神社では、元気だったんですが、郵便局へ入って、スタンプを押していると、苦しいと言い出し外に出ました。外に出て、深呼吸しても苦しいと言うので、下山しました。郵便局は、狭かったので、酸素が少なかったのかな????
 下山の途中の本七合目すぎから、雷が鳴りはじめ、間一髪カッパを着たらザーとすごい勢いで降り出しました。雷もすごかったので、新七合目で、休憩させてといったら、「休憩はだめ。とまり料金を払って、好きな時間に出てってもいい」といわれ、子供もいるので、一人5000円で、三人15000円を払って、中へ。とりあえず、少し横になって、雨がやんだら降りようと思いました。でも、やかましいのと、布団の上布団が、横一列くっついていて、自分だけかけることもできず、あんなに疲れていた娘も、10分ぐらいねただけで、起きてきました。山小屋で、寝るのはちょっときついよね。17時前、雨がやんだので、降りてきました。途中、休んだので、足が痛かったです。下りは、一気におりるほうが、らくだと思いました。
 とりあえず、頂上へいけた、あの感激は、この先忘れないでしょう。鳥居をくぐったら、思わず涙が出てきました。この、ホームページのおかげです。ありがとうございました。

■2 高山病なんて、怖くない! たっくんママ(須走口より 7/30,31)

 去年の7月末、我が家の富士登山初挑戦は、高山病のために本7合目で敢なくリタイアとなってしまいました。あれから1年、待ちに待った再挑戦の日がやってきました。奇しくも、今年も台風が我が家の夏休み大イベントに合わせて日本に接近して、ヤキモキさせられましたが、思いの外速度を速め東へ遠ざかり、安心して7/29に岐阜を発ちました。
 去年、親子3人(主人40才、私35才、息子11才)がかかってしまった高山病の対処法について、「後悔しない富士登山」のホームページで勉強し、またP.セロさんからも直伝して頂き万全を期して望んで、ついに悲願の初登頂・初お鉢巡りをすることが出来ましたので、報告します。

7月30日(月)
10:00  須走口5合目(2,000m)駐車場に到着。ゆっくりと準備をし、バナ       
      ナとゼリー飲料で軽く昼食をとりました(去年は、かなりヘビーなコンビニ
      弁当で失敗しました)。そして体を慣らすため、ゆっくりと土産物を見て回
      り、1時間半ほど5合目で過ごしました。
11:40  いざ、出発!天候は曇りで、時折さーっとガスかかかる感じです。
12:55  本5合目着。5分休憩。
13:30  6合目瀬戸館(2,700m)着。5分休憩。
14:35  7合目太陽館(3,000m)着。10分休憩。
15:45  本7合目見晴館(3,250m)着。去年は高山病でヘロヘロになって6
      時間もかかってたどり着いたのが嘘の様な、らくらく登山でした。今日はこ
      こで宿泊。3人とも高山病の兆候は無いけれども、油断大敵。意識して深呼
      吸(腹式呼吸)を続けました。体の調子がいいとついつい忘れがちなので、
      お互いに声を掛け合って意識して深呼吸を続けるようにしました(この慎重
      さが結果的に良かったようです)。
       夕食を済ませ、早めに寝て、明日もこの調子でがんばろーっ、と思ったけ
      れども、眠れないんだよねー山小屋って。ここ見晴館は新しくてきれいで布
      団もふかふかだけれど、耳栓をしていてもやっぱり騒がしくて私はダメです、
      眠れません。寝つきの悪い人にとっては、山小屋は体を休めるだけの場所と
      割り切った方が良いのかも知れません。とにかく一晩がながーく感じられま
      した。主人もやっぱり眠れなかったようですが、子供は疲れていたのか爆睡
      していました。
       4時すぎ頃から、他の宿泊客がモゾモゾと動きはじめました。4時45分
      のご来光を見るためです。私たちもウインドブレーカーを着て外へ出ました。
      風もなくおだやかな朝ですが、下界は雲が多くあまりクリアな景色ではあり
      ませんが、富士山でのご来光はやっぱり最高です。
       6時頃まではガスが出ずに登りやすいと、バイトのお兄さんが教えてくれ
      たので、若干予定を早めてすぐに朝食を頂いて出発することにしました。(深
      呼吸も忘れず励行!)

7月31日(火)
06:10  見晴館出発。去年、ここから下山したことを思うと、今日は万全のコンデ
      ィションで山頂を目指して踏み出せることにひとしおの感慨があります。こ
      こから先は、私たちにとっては全てが未体験ゾーンであり、とても新鮮です。
06:40  8合目江戸屋(3,350m)着。5分休憩。ここで、私と子供のザック
      を預かってもらいました(1個300円)、らくちんらくちん。
07:15  本8合目江戸屋(3,400m)着。5分休憩。吉田口の登・下山者が合
      流して、いっぺんに人が増えました。
07:37  8合5勺御来光館(3,450m)着。5分休憩。
08:10  9合目着。5分休憩。山頂とおぼしきところに日の丸の旗が良く見えます。
08:45  3人足を揃えて、ついに、ついに、初登頂!うれしいー!!久須志神社で、
      金剛杖に念願の朱印を押してもらい、おみやげの山頂グッズをいっぱい買っ
      て、実家にケータイで登頂報告を入れました。(今年からJフォンも使える
      んだよねー。便利、便利。)
09:05  お鉢巡りを左回りで出発!空は穏やかに晴れ、おまけに体調は絶好調、超
      ラッキー!目の前に広がる火口の大パノラマには、ただただ感動。登ってき
      て良かったー。(おっと、油断大敵。深呼吸、深呼吸。)
10:15  剣ケ峰到達。ついに3,776mを極めました。急勾配の馬の背を下って
      しばらく進むと浅間大社奥宮の隣に富士山頂郵便局があり、ここで暑中見舞
      いを書きました。
11:15  須走口へ下山開始。ブル道は砂走りに似た感じで、膝へのショックが少な
      く、思い切ってザックザックと踏み出せるので、ついついペースが上がって
      しまいますが、下山とはいえまだまだ3,000m超の高地なので、油断大
      敵。深呼吸、深呼吸。お腹がすいて、本8合目江戸屋さんでお昼にしました。
       8合目江戸屋さんでザックを受け取り、徐々に高度を下げ、7合目を過ぎ
      ると、いよいよ砂走りです。砂埃まみれになって駆け降りるのは、ちょっと
      した快感で、子供はかなりお気に入りです。主人は、ここまでの下山で、も
      うかなり膝にきているようで、とても辛そうで、随分ペースが落ちて来まし
      た。
15:15  砂払5合目着。冷えたサイダーが美味しい!後は樹林道を約30分、頑張
      ろうね。
16:05  5合目到着。主人は膝の痛みでもうヨロヨロで、お巡りさんに笑われてし
      まいました。でも、無事に着いて良かったー。後は、お土産買って、温泉に
      寄って、ご飯食べて帰ろーね。お父さん運転5時間頑張ってね。(かなりキ
      ツイよねー)
       来年は、どこから登ろうかなー。

最後に高山病の対処法のポイントについて、私たちの拙い経験から、偉そうに言わせて頂くと、
@ 肺の中を空っぽにするようなイメージで、ながーく息を吐きいっぱい吸い込む呼吸で歩く(1サイクルの呼吸を4歩で。フーフーヒーヒー等好みのリズムで。)。
A 砂礫地の歩行はとぼとぼ、よろよろと小さな歩幅でゆっくりと。
B 高地の岩場の歩行は、無理をせず一歩ずつ呼吸を整えて。
C 休憩は、各合目で5分程度の立ち休憩。(深呼吸励行!)
D 山小屋などでも、思いついたら深呼吸!

 要は、薄い空気に体が慣れるスピード以上に、体に負荷をかけないことです。特に岩場などでは、体力的(筋力的)には3歩4歩とヒョイヒョイと登れても我慢して無理をせず一歩ずつ呼吸を整えて登るべきです。現に、ゆっくりと進む私たちを追い越して行った人の殆どは、必ずすぐに休憩をしていて、結局その間にまた私たちにゆっくりと抜かされていました。(エンジンはレッドソーンまで回さないことですね)
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編集者より:あぁ!やったんだ!おめでとうございます。朝出発してから、こちらでも、今頃登り始めたかな、今頃は7合目かな・・登れたのかな・・・・そして翌日になっても次の日になっても何の報告もないので、きっと今年も駄目だったんだ、登ったら絶対黙ってないもんね、・・・と思っていました。今朝投稿メールを読んで、スタッフ一同大喜びしました。「泣いたよね、きっと」「泣いたでしょ」・・いかがでしたか? 単に登っただけでなく、楽に登れた、楽しめた、これが素晴らしい。「来年も登るって言ってるよ」「甘いよね」(^^))

■3 登頂成功 (7/27 富士宮口) 松江のあび丸さん

 松この6月に昨年いきなり登山の趣味に走った友達に誘われかなり嫌々鳥取県の大山登山に・・・しかし中国地方最高峰の眺望は大感動!そして翌日から5日間、両足激痛の日々・・・・日頃全く運動してないしねぇ。その時友達から富士登山話を聞かされ、その気に成ってしまう。早速インターネットでここを発見し読みあさる日々、初心者で単独登山は危険と判断し名古屋の友人を無理やり誘う

7月27日に決行して来ました。当日は曇天で富士山は下からは全く見えない状態。夜11時に宮口5合目に到着してみると、平日でもあり駐車場はガラガラ。雲の上に出たようで星が異常に多く見え感動!天の川が見えるのは当たり前でその中にある暗黒帯もくっきり確認出来、まるで天文誌の投稿写真並に銀河の形が解かる!!(超感動)おまけに10分間見上げただけで5個の流星も!!すでに満足してしまっていた。

早朝2時35分登山開始!無風で全く寒くない。この日の為に事前に行った3回の大山トレーニング登山のおかげか8合目までは異常に良いペース(脚も楽チン)ちなみにトレーニングを行った大山登山道は標高差1000mで、全てが階段!!今思えば富士山より体力的には辛い山です。

8合目の時点では登頂時間5時間切れるのではないかと思われる程。しかし日本一の高さは伊達では無かった・・9合目あたりから、平衡感覚が無くなり酔っ払った様にふらふらしてくる・・そして、明らかに呼吸が苦しく30秒歩いて30秒休む感じ。体力的には殆ど疲れは無いのだが、これが高山病なのだろうか、見えている山頂の鳥居になかなか近付けない!

なんとか8時25分登頂!所要時間5時間50分少し休んで剣が峰へ、噂の馬の背は上部が非常に滑るので手すりを使いなんとか山頂へ辿り着く。富士山レーダーをまじかに見てTV番組の「プロジェクトX」や新田次郎の本「芙蓉の人」を読んだ感動が蘇る山頂で余裕が出たのか、登山中全く吸う気が起こらなかったタバコに火を点けようと100円ライターを必死に擦るが、火が点かない!!(100円ライターは山頂では役立たず!)タバコを吸っている人から火を分けて貰い吸ってみたが非常にまずい!!二口吸ってすぐ消しました

下山開始は11時30分、宮口5合目に辿り着いたのは14時30分でした。ここのHPの情報は本当に役に立ちました!お礼申し上げます。

■4 初めての富士単独行 (7/26 河口湖口 和歌山市 46歳 K.Oさん)

登り 6時間  下り 3時間30分(途中一泊) 
同伴者   なし

登山行程 

7月26日 PM7:00  五合目到着  雲上閣泊  素泊り 5250円
  27日 AM6:00  五合目出発
      AM8:50  八合目到着 朝食 カップヌードル 600円
      PM0:00  頂上到着お鉢巡り   昼食 うどん 800円
      PM3:00  下山
      PM4:30  八合目到着   太子館泊  夕食付一泊 6300円
  28日 AM4:45  御来光
      AM5:00  下山
      AM7:00  五合目到着

 結論から言いますと、思っていたより楽な登山でした。といいますのも、「夜間登山をしない」「ご来光は八合目からでも十分」「五合目で十分休息を取る」、このアドバイスが非常に役に立ちました。昼間の登山のため人が比較的少なく、マイペースで頂上まで登れ、素晴らしい御来光もゆったりと見る事ができ、高山病にもかかることなく無事富士登山に成功したのも、「後悔しない富士登山」のホームページのおかげだと思っています。本当に有り難うございました。一人で富士登山に挑戦される方に、少しでも役に立てればと思い、投稿させて頂きました。学生時代に少しハイキングをした程度の私でも、登頂に成功しましたので、準備さえしっかりすれば、きっと成功すると思います。

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■5 富士登山御殿場口ルート達成! (7/27 御殿場口 I.Oさん)

富士山御殿場口 新五合目(1440m)〜山頂(3776m)
標高差約2300m
2001年7月27日(金)晴れ〜28日(土)晴れ後曇り
参加者5人:筆者I.O(29歳),T.F君(男28歳),N.T君(男30歳),K.Kさん(男
28歳),M.Kちゃん(女27歳)

昨年(2000年)No.15 「僕たちの登山日記 (7/23  須走口より)」及び,今年
(2001年)No.5 「やりました! (7/14 富士宮口)」で投稿したI.O です.いよ
いよ今夏最大のイベント,富士登山御殿場口の日がやってきた.年初から少しづつ
計画をすすめ,待ちに待った日だ.先週から台風5号の動きが気になっていたが,
動きが遅く,どうやらあまり影響はなさそう.気分良く出発!と行きたいところだ
が,最初いきなりつまずいた.

27日(金)
5:30集合時間
この時間に世田谷のT.F君宅に集合だったのだが,T.F君からの「今何処にいるの
?」という電話で目が覚める.頭の中が真っ白になる.目覚し時計は昨日2回も
セットしたことを確認したはず.見ると,見事に自分で止めた形跡あり.鳴ったの
を全く覚えていない.慌てて準備をして,5:50に車で世田谷に向かう.

6:40世田谷区T.F宅
中央道はスムーズに流れたが,高井戸出口から環八がすでに混んでおり,約1時間
遅れて到着.ひたすら平謝りである.K.Kさんとは7:30に御殿場口新五合目で待ち
合わせの予定であり,こちらも早めに連絡を入れて,遅れる旨伝えた.登山にとっ
て朝の時間はとても大切だというのに,僕のせいで皆の余裕を奪ってしまった.超
反省である.次回からは目覚ましを二重三重にセットしようと思った.

7:30東京IC発
T.F君他三人がマックで朝食をとってる間に,僕はコンビニで食糧を買い込み,い
ざ出発.

8:40御殿場口新五合目(1440m)着
K.Kさんは7時前に到着していたらしく,2時間も待たせてしまった.ここでもひた
すら平謝り.本当にごめんなさい.ここの駐車場には登山者らしき姿は全くなく,
変わりに自衛隊の車がわんさか止まっていた.迷彩服にヘルメットのごっついお兄
ちゃんがうろうろ歩いており,異種異様な光景だ.恐らく1週間後の富士登山駅伝
の準備に来ているのだろう.新五合目売店で大野,N.T,K.K,の3人は金剛杖を購
入.T.F君は登山用のストックを使用.M.Kちゃんは,体に合うサイズがないため,
先の大石茶屋で購入することにした.

9:25御殿場口新五合目出発
山腹に雲がかかっており,頂上は見えないが,まずまずの晴天に恵まれ,気温も
20℃と比較的涼しい中,気持ち良く出発.歩き始めて10分もすると,すぐに大石茶
屋についた.ここでM.Kちゃん金剛杖購入.T.F君はお土産用のミニ金剛杖を買い,
この先記念に焼印を押してもらうつもりみたい.

10:40双子山横で休憩
30分歩いて休憩のペースで歩いていく.右手の下山道では,登山駅伝のトレーニン
グだろうか,ものすごい勢いで走って降りてくる陸上選手らしき風体の人が数人い
た.1時間あまり歩くと,左手に見えていた双子山が近づいてきた.そういえば双
子山という力士がいたと思うが,ここから名前を取ったのだろうか?そんなことを
考えながら見ていたが,どうしてもお尻のように見えるのは僕だけだろうか?頂上
にかかっていた雲が晴れ,ここから目標が見えるようになった.今までの富士登山
にくらべ,あまりにも小さく高く見える頂上に心を引き締め,10:45発

11:10五合五勺(1930m)
ブル道を右手に見ながら,傾斜の緩やかな登山道を登り続け,ようやく五合五勺に
到着.ここの小屋は廃墟になっていた.長めの休憩をとり,11:30出発.

12:00旧三合目?
五合五勺を越してから,傾斜がやや急になり,山腹をジグザクに折りかえす登山道
になる.足場は砂礫がいよいよ細かく,深くなり,歩きにくい.何故か右に折りか
えすと砂礫が深くなり,左に折りかえすと浅く,幾分楽になるような気がする.単
調な登山道の唯一の変化か?
しばらく登って行くと,左手の下山道に近づき,そこにはコンクリート造りの小屋
らしきものがあった.トイレだと思い,休憩がてら立ち寄ったが,閉まっており,
何のための小屋なのか分からなかった.この小屋の前では自衛隊が列をなして座り
こんで休憩していた.しばらくすると,みんな立ち上がり,下山し始めた.訓練だ
ろうか?12:30発

13:05昼食
M.Kちゃんの「お腹空いた」の一言で昼食にすることにした.登山道に座りこみ,
それぞれにコンビニで買って来たお弁当に舌鼓を打つ.風も涼しく,とても美味し
い.それにしても,さっきから登山者に全く出会わない.僕にとって今回で5度目
の富士登山だが,こんなのは初めてだ.去年の須走口も少ないなと思ったが,ここ
は特別少ないらしい.登山道は歩きにくいが,静かで富士山を独占している気分に
浸れる.13:35発

14:55六合目着(2780m)
相変わらず短調なザクザク道がジグザクに続いている.見通しが良く,迷う心配が
ないので,それぞれのペースで登っていた.先頭でK.Kさんと僕が,後からT.F君,
M.Kちゃん,N.T君の組に別れていたが,昼食後から,後ろの組のペースがかなり落
ち,差がどんどん開きはじめる.六合目に着き,K.Kさんと下を見ながら座って待
つ.下でも座って休憩を取っているが,あまりにも休憩が長いので,痺れを切らし
てM.Kちゃんの携帯に電話をかける.慌ててザックの中から携帯を取り出す姿が見
え,面白くて二人で吹き出していた.

15:55休憩
日も大分傾いてきて,登山道の砂礫粒の影が見え始める.気温も少しづつ下がり,
Tシャツでは寒くなってきたので,長袖のシャツを上に羽織る.登山道は相変わら
ずザクザクのジグザクだ.また後ろが見えなくなったので,座って待つ.30分ほど
待つと3人が現れ,10分ほど休んで再度16:35出発

17:00岩陰で休憩
相変わらず,K.Kさんと二人でサクサク登っていた.だいぶ登ったのか,足元の様
子が少し変わってきた.傾斜は急になったが,足場が固くなり,登りやすい.上の
方に七合目(恐らく)の小屋が見え始めたので,ここでまた下の組を待つべく,止
まることにした.眼下には素晴らしい雲海の上に影富士が広がり始め,気温もぐっ
と下がり10℃になる.風が出てきたのでフリースとカッパを着込み,登山道脇の岩
陰に隠れて風をしのぐ.しばらくすると,下に3人の姿が見え始めた.T.F君が僕に
電話を掛けようとしている姿が見え,僕の携帯がなるのだが,出ても声が聞こえな
い.彼は何度かチャレンジしていたが,上手くいかないので,二人を置いてものす
ごい勢いで僕達の所に登って来た.あまりにもスピードに感心しながら眺めていた
が,近くまで来て,息を切らせながら「待ってると冷えるでしょ.先に登って小屋
で待っててよ.」なかなか気が利く一言だ.確かに,この辺りまで登ってこの時間
になると,寒くてじっとしていられないのだ.せっかく温まった筋肉が硬直して,
余計に疲れる.T.F君の言う通り,先に登って小屋の手続きをし,彼らの到着を待
つことにした.後の二人の到着を待って,この岩場を17:30出発した.

17:50七合目日の出館(3070m)
下から見えたここの小屋が七合目であろうことは予想できたが,目的の砂走館かど
うかは半信半疑だった.K.Kさんが先に到着しており,息を切らせながら僕が追い
ついた.K.Kさんが,「日の出館って書いてるよ!」ちょっとがっかり,まあでも
七合目到着だ.一息入れて先に進む事にする.

18:10七合五勺砂走館到着(3210m)
午後6時を回り,七合目の三つ目の小屋.相変わらずK.Kさんのペースについていけ
ず,20mくらい後ろをついていた.「砂走館だ!」K.Kさんの声にホッとする.よ
うやく宿泊先に到着.影富士の先は御殿場市を超え,かなり先の方まで伸びてい
た.小屋番のアルバイトらしき若い男の人に声をかけ,中に入る.「今日は寒かっ
たでしょう,とりあえずお茶をどうぞ.」と温かい声をかけていただいた.確かに
寒い.気温はさっきと同じ10℃のまま.中に入ると,先客は誰もいない.小屋番の
話だと,あと二人従業員がいるが,皆富士宮登山道の方に呼びこみに行っていると
のこと.シーズンの富士山の山小屋とは思えないくらいシーンとしていた.そうい
えば,ここまで自分達以外に二組の登山者しかみていない.平日とはいえ,なんと
静かな登山道だろう.荷物も,靴も,杖も,まるで自分の家にいるみたいに,何処
にでも置いて良いとのこと.寝床も「好きなところに寝てください.」と言われ,
あっけにとられていた.1時間後に連れが三人来ることを告げ,5人分の宿泊料(1
泊二食付き6500円/人)を払い,お茶を頂いて一息.

19:00M.Kちゃん達到着
体力も少し回復し,そろそろ3人が上がってくるだろうと思い,下の様子を見にい
くことにする.少し下ると,案の定3人が上がってくる.駆け足で降りて,すぐそ
こが山小屋であることを告げ,一緒にゆっくり登る.やっと到着!K.Kさんは炭を
くべた大きな七輪の脇で暖を取っていた.荷物を置いてしばらくして夕食になっ
た.結局,客は僕達5人だけ.ガイドブックによると,収容人数は150人らしい.こ
んな山小屋を貸切状態とは!しかも,お茶飲み放題,夕食のカレーライスは食べ放
題!なんとも贅沢な富士登山である.T.F君と僕は缶ビールを頼み,楽しい夕食の
時間を過ごす.僕は1本だけだったが,T.F君は三本も飲んでた.(T.F君は後で高
山病にかかったと言っていたが,飲み過ぎが原因では?かく言う僕も食べ過ぎ!)

21:00就寝
カレーを腹いっぱい食べ,苦しいのと,疲れたのとで,早々に床にはいる.最初寒
かったが,背中に貼ったカイロの温もりとともにいつのまにか眠っていた.

24:00天の川
喉が乾いて目がさめた.厚い蒲団の中にフリースを着込んで寝ていたので暑いのな
んの.隣のK.Kさんも起きてきたので,二人で水を飲んで,僕はトイレに行った.
外で上を見上げると,星空がめちゃめちゃ綺麗!K.Kさんを呼んで,二人で空を眺
めていた.真上には北東から南西にのびる天の川,北には北極星とカシオペア,南
にはさそり座のアンタレスが赤く輝いており,何度も流れ星を見ることができた.
雲に隠れているものの,関東方面は中で カシオペア,北極星,雲に隠れている
が,関東方面はボーっと明るく光っており,月も出てないのに,富士の山肌が見え
るほどである.「この明かりがなければもっと凄い星空がみえるんだろうなあ.」
などと,贅沢な不満を語りながら,しばし見とれていた.

28日(土)
4:30起床
外が明るくなり始め,東の空が朝焼けで赤く輝いていた.皆起き出して外にでた.
昨日ほど気温も低くなく,風もないため,比較的温かかった.振りかえると赤く輝
く富士山が頂上まで赤く染まり,はっきりと見えていた.次第に明るくなり,いよ
いよ御来光の瞬間.雲海の彼方より真っ赤な光りが顔を出した.去年のご来光もよ
かったが,今年もまた格別である.山でしか見ることができない素晴らしい光景に
しばし感動!(4:55)
日が昇りきったところで,小屋に入り,朝食をとることにした.メニューは,ご
飯,味噌汁,ハム二枚,目玉焼き,昆布の佃煮といったところ.昨晩同様,ご飯と
味噌汁は食べ放題だった.これからに備え,しっかりと食べた.食事後,すぐに出
発の準備を整え,小屋を出る.

6:10出発
砂走館までは登山道と下山道が同じなので,M.Kちゃんはここで荷物預け,身軽に
して登ることにした.みんな良く寝て疲れが取れたのか,しばらくいいペースで歩
いていた.

6:55赤岩八合館(3410m)
あっという間に赤岩八合館に到着.当初ここが初日の目的地だった(登山計画書で
はここに泊まる予定にしていた)が,全員のことを考え,体力的,時間的に厳しい
と思い,前もって七合五勺の砂走館にも打診をしておいた.赤岩八合館とオーナー
が同じなので,砂走館に来て余裕があれば,赤岩八合を目指すという話にしておい
たのだ.昨日下から見た時は,昨日中にここまで行こうという気持ちにはとてもな
らなかったが,一晩山小屋で寝ると,こうも近く感じるものか.休むことの大切さ
を知った.ここは富士宮口からここへ迂回するルートがあることもあり,かなりの
人が宿泊していた.(といっても,満室からは程遠いが...)少し休んでまた出
発!7:05

9:17登頂
八合を意気揚々と出発するも,またペースが落ち始める.最初は良かったが,やっ
ぱり昨日の疲れと,空気の薄さが効いてきたみたい.みんなのモチベーションもす
こし下がり気味で,15分歩くと休憩をとるといった感じ.休憩をとるのはいいのだ
が,途中30分止まったり,ちょっと休みすぎ!この無駄な休憩が後で少し響いてく
ることになる.でもまあなにはともあれ,最後の鳥居をくぐり登頂!銀明館横に出
て,御殿場口を登りきった充実感に浸る.昭文社の山と高原地図のコースタイムは
八合目から登り50分,下り25分となっていたが,これはおかしい.僕達はちょっと
かかりすぎたとはいえ,登り1時間30分,下り50分が妥当なところだと思う.珍し
くこの地図に不満を持った.

一息入れ,すぐに富士宮口登山道方面に進み,浅間大社奥宮で刻印をもらう.僕は
実家のおばあちゃんにと銀明水を買った.お腹が空いてきたが,もう一踏ん張りし
て,三角点を目指すことにした.富士山お鉢巡り,最大の難所,馬の背を登る.何
度来てもここは辛い.少し歩くと息が切れる.K.Kさんは走って登っていた.なん
て人だろう.

10:00三角点(3776m)
二週間前に富士宮口から1人でここまで来たが,今日は仲間が一緒.お湯を沸か
し,T.F君提供の山頂レギュラーコーヒー!やっぱり仲間がいる方が楽しい.コー
ヒーをすすりながらタバコに火をつける.この雰囲気が最高!空は真っ青,下には
ビッシリと雲海が広がっている.万年雪の残る大きなお釜を見下ろしながら征服感
に浸った.ここで2.5リットル持ってきていた水もほとんど無くなった.我ながら
よく飲むなあ.

11:00お鉢巡り
いよいよ10年来の夢だったお鉢巡りの開始!去年は吹き飛ばされそうな風で断念し
たが,今年はほとんど無風状態.本当に天気に恵まれた.測候所から下り,環境省
の休憩所を過ぎて少し上ると,眼下には大沢崩れの大きな谷が.その迫力に圧倒さ
れた.上からのぞくと吸い込まれそうな感じがした.そこから降りると右手に金明
水,左手に小内院,そしてまた登ると眼下にはスバルライン終点の河口湖口五合
目,小御岳が目に入った.河口湖口から続く登山道に,たくさんの山小屋,そして
登山者.僕達が登ってきた御殿場口登山道とはえらい違いだ.登ると河口湖口久須
志神社,ものすごい賑わいだ.外国人もたくさんいた.T.F君,N.T君はここで焼印
を貰って満足げだった.さらに進むとNTTの営業所があり,そして最初の銀明館
にもどった.登ってきた時は気が付かなかったが,すぐそばに銀明水の井戸があっ
た.なぜ気付かなかったんだろう?いっぱいいっぱいだったのかなあ.時間もおし
てきていたので,小休止の後,12:25下山することにした.

13:15赤岩八合館
下りは早い!登りでここから2時間30分ほどかかったが,下りはたったの50分.水
が無くなっていたので,ここで南アルプスの天然水500mlを購入..ペットボトルを
持って降りるのが嫌だったので,ここで飲み干して,小屋に預かってもらった.小
休止の後13:20出発.

13:40砂走館
25分であっという間に砂走館.七合目から先は登山口近くの大石茶屋まで何も買え
ないので,ここで念のためポカリスエット500mlを購入(後になって,ここで買っ
ておいて良かったと思う).山小屋でM.Kちゃん荷物を受け取り,小休止ののち,
13:50出発
日の出館の少し先で14:10下山道分岐地点.ここで気合を入れてみんなマスクやタ
オルを口にあてる.少し進むと砂走りがはじまる.最初は去年の須走口下山道とあ
まり変わらない,狭くて大きな石がゴロゴロしているようなところだったが,しば
らく進むと,どんどん道の幅が広くなり,砂が細かくなっていく.さすが大砂走り
といわれるだけある.去年と大違い!幅はゆうに10mはあろうか.大きな石もな
く,スラロームしながら安心して下っていける.ただ,あまりにも夢中になるた
め,めちゃめちゃ疲れる.約200m毎に止まって一息いれないと息がもたない.途中
から雲の中に突入し,なんかこの世のものとは思えない荒涼ととした世界だ.他の
下山者といえば,休憩中に下っていったアメリカ人の二人組を見ただけ.ほとんど
富士山独占状態だった.最後の方は,雲(霧?)で視界が悪くなってきたので,隊
列を組んでゆっくり歩きながら降りる.標高差1000mを一時間足らずで一気に下る
と,五合五勺に到着.

15:10新五合五勺
長かった砂走りの終わり.一息いれて,ここからはブル道を降りる.地面が固くな
り,疲れた足にはとてもこたえる.ひざが痛い.

15:50大石茶屋
40分程下ると,大石茶屋に到着.店のおばあちゃんに「何処から登ったの?富士宮
口?」と声を掛けられる.昨日会話したことをすっかり忘れているようだ.まあそ
んなことにはお構いなしに,すすめられたお茶を頂き,会話を楽しんで買い物をす
る.そして最後の余韻を味わいながら新五合目の鳥居にむかって進むことにする.

16:05新五合目
5分も歩くと「新五合目到着!」21世紀最初,そして20代最後の年の富士登山終
了.この時点で僕は富士山の主要4ルート&お鉢巡りを無事達成した.雲の中を歩
き,みんな髪に水滴をいっぱいたたえた顔で,最後の記念撮影をした.感無量であ
る.いいメンバーと一緒に,富士山で最もダイナミックな御殿場口富士登山を存分
に楽しむことが出来た.

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■6 富士宮から宝永火口へ下山 (富士宮口 夜間登山 りんたろうさん)

私は地元裾野市の病院に勤務しております。先月久しぶりに富士宮口から夜間登山で登頂いたしました。某ラジオ番組収録のお手伝いで、結局頂上まで同行してしまいました。

夜11時前に登り始めまして、かなりゆっくりと頂上を目指しました。登るペースとしましては、15分登って5分休憩のリズムでしたが、どうしても速くなってしまいがちでした。9合5勺で日の出となりましたが、日の出の瞬間は、このルートでは見れませんでした。そして登頂は午前6時。7時間かけての登頂でした。

お鉢巡りもし、御殿場ルートで下山、途中、宝永火口へ下りまして富士宮口新五合目へと戻りました。途中の宝永山が素晴らしかったです。まるで地球以外の惑星へ降り立ったような気分でした。

登りは富士宮口から、そして帰りを御殿場ルートで砂走りをくだり途中、宝永山を横断して富士宮口新五合目へと戻るルートもお勧めです。

このホームページを知っていたら、もっと楽しく安全な富士登山が出来たように思いました。今月20日に、もう一度登る予定があります。今度の登山は、病気と闘っている方も同行します。これまでにない慎重で無理のない登山をしようと考えています。そのためにもこのHPを参考にさせて万全の準備で望みたいと思っております。

夜明け前の写真を添付いたします。

■7 辛かった富士登山(ツアー参加 河口湖口 和歌山市 EIKOさん)

1年前から、登山を始めました。山陰地方の山々を、休みのたびに登ってきました。
だんだん、いつかは富士山という思いになり先週、富士登山に挑戦してきました。旅行会社での43名の1人として、友達と参加しました。が、ずっと団体の1名で、休憩も自分のペースでは、取ることができず結局9合目でリタイヤしました。涙がでそうなほど、悔しかった。もう 富士山には登らないそう思いながら、下山しました。
が、日が経つにつれて、いろんな反省点がみえてきました。
大阪朝7時30分集合のために、3時に家を出る
5合目での、休憩なしの登山開始
肩が痛いほどの、水を背負う
ご来光のために、夜中12時に、8合目を出発  ぜんぜん眠れない
8合目からの・・人・人 調子が全然とれない
もう一度 ゆっくり自分なりに 登って見たいな

■8 父と二人で初富士山(7/29 河口湖口 日帰り G.Kさん)

7月29日父(63)僕(28)と二人、親子で富士登山に行きました。僕達二人は登山そのものが初心者で登頂できるかどうか不安でしたが、後悔しない富士登山のホームページを見て、ポイントを心得て実行すれば可能だと思い計画を立てました。この日の数日前には台風が小笠原諸島に近づいていて、影響を受けるようなら断念しようとしていましたが、台風の進路がずれたので思いきって決行しました。色々な情報、データ、意見を考慮した後、ルートは吉田口、日帰りコースに決めました。前日の夜、車で5合目を目指しました。登り始めは雨で不安でしたが、5合目に着くと快晴で夜空を楽しむことも出来ました。本当に山の天気はわからないですね。まず、車中で仮眠を5時間程とりました。AM3:40登山開始し出来るだけゆっくりとしたペースを意識しながら歩き始めました。この日のご来光はAM4:50位だったと思います、6合目で迎えました。6合目でもその光景はとても美しくビデオを回しっぱなしにした程でした。上のほうからは、万歳!万歳!大勢の人が合唱しているのが聞こえたりして、自然の美しさと、偉大さや、改めて感じ取りました。余韻ひたりながら頂上を目指しまた。僕は2800m位の所から高山病の症状がでてきました。呼吸法を意識しながら有酸素運動を円滑に出来るように努めました。幸い症状は軽い頭痛程度で、面白いことにゆっくりと歩き続けている時、一番症状が軽く思えたので8合目、9合目、頂上と腰を下ろす事無くゆっくりと歩きました。ついに、PM1:00 吉田口頂上に二人揃って登り詰めました。一つの大きな目標を達成して父と僕は心から喜びました。御鉢参りはオプション計画で、出来ないと思っていましたが、天候、体力、気力と十分だったので実行しました。登頂30分後位に昼食を取って30分間位ゆっくりと休憩をとったら、僕の頭痛はなくなりました。気分的なものなのか、体が高度に慣れたのかわかりませんが気分が良くなると心も景色も晴れ晴れになりました。PM2:50に富士山最高峰剣ケ峰に到着、記念撮影を済まして、何とも言えない達成感に浸りながら休憩時間を楽しみました。剣ケ峰を出発したのは偶然にも登山開始時間のAM3:40から丁度12時間経過したPM3:40でした。PM5:05に吉田方面下山口に到着、500mlのペットボトルを買ってから下山道開始。下山道は想像以上に疲れるものでした。6合目付近で日没して辺りが良く見えなくなると、疲労が増し体はかなり極限状態で、だましだまし歩き続けました。登山口が近くなると、頂上を目指す大勢の人とすれ違い、その度に頑張って下さいと、エールを送りました。結局、登山口に戻ったのはPM9:00でした。終始、雨に降られなかったのは本当にラッキーだったと思います。余談ですが、飲料水は水が一番だと感じました。一人1.5L位飲みました。カロリーメイト(普段は愛用してます)は口の中が乾く感じがするのとするのと、満腹感があまり得られなかったのでいまいちだったように思います。ゼリー飲料は優れものです。

道のりは、長くて辛くもありましたが、良い思い出の方が沢山出来たので挑戦して良かったと心から思いました。僕たち初心者の親子がこんな欲張りスケジュールをこなせたのも、後悔しない富士登山のホームページから様々なノウハウを参考にできたからです。これからも応援してますので頑張って下さい。有難うございました。

■9 我が家の失敗談(雨天 wansaigaさん)

富士山は日本一の山・・・ハイキングではないんだからきちんと準備しようよ・・・夜は寒いんだから着替えもたくさん持っていこうよ・・雨具の用意は大丈夫?

一応用意はして行ったのですが子供達は重いのはいやだと必要最小限で・・なんて・・・雨具もしっかりしたのでないと結構しみこんでしまって・・・ヘッドライトを持っていったけどやはり一人1個でないと夜道は危険・・・

カッパを着ると暑いからなんてなかなかカッパを着なくて・・・おまけにカッパを着ても前をきちんとしめないものだから・・洋服はずぶぬれ・・

基本ですがザックの中の衣類は濡れないようにビニールに入れとかないと・・・せっかく持ってきてもいざ着ようと思ったらびしょびしょ・・・おまけに水分をすってやたら重いだけ・・・

天気が悪かったとはいえ準備不足でした・・・(反省)子供達(二人とも二十歳前後)は小さな子供でも登れるんだから大丈夫・・・と・・いくら言ってもきかない・・・小さい子どもなら親の言うことを素直にきくからまだいいけど・・変な所頑固だから始末が悪い・・・

結局途中でリタイヤしてしまいました。本人達はまた来ればいいよと言っていましたが・・・久しぶりに家族で出かけられたからこれはこれで想い出になるよ・・と言っていましたが・・・残念です。

けど風邪ひいたり、まして遭難でもしたりしたら大変ですものね・・・

富士山は日本一の山だから下界で雨が降っていても雲の上に頂上はあるからご来光を見れない日はないのではないかって変な理屈で信じこんでいるおとぼけの息子です・・・

やれやれ・・・でした。あいにく天候が悪く全く富士山見えませんでした。また再チャレンジしよう!今度はきちんと準備をして・・・!このHPを行く前にみつけてしっかり読んでから行くべきでした。なるほど・・・と思う事ばかりでした・・・ずーっと続けてくださいね・・・!!

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■10 富士登山レポート (富士宮口+須走口 TSさん)

 はじめまして。埼玉県鶴ヶ島市に住んでいる"かぼちゃ栽培中"、39歳です。昨年富士登山を思い立って準備のためにHPを探し回った中で貴殿のHPが大変役に立ちましたので、少しでも恩返しになればと思い今年の記録を投稿いたします。7月の13,31の2回分です。私の場合はもっぱら朝から登って夕方下山のパターンだけなので多くの人には合わないケースだと思いますが、同様のことを考えている方も多少はいると思いますので参考になれば幸いです。
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服装:長袖の服長ズボンハイカットの靴帽子+ヘアピン(風で飛ばないように)メガネが飛ばないようにする紐杖は五合目で購入
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ザックの中身:上下セパレートタイプの雨具着替え一式(下着、靴下)手ぬぐい(タオル)チョコボール1箱小袋の海老せん500mlの水3本カメラ携帯電話ウインドブレーカーゼリー飲料2個(ENERGYタイプ)ビニール袋2つ(ごみ入れ用と着替え用)現金おにぎり1つエアーサロンパス携行用の小さいもの1つ芯を抜いたトイレットペーパー(Ziplocに入れる)布のガムテープ数メートル丸めたものウェットティッシュスパッツ救急ばんそうこう日焼け止め
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登山記
 昨年初めて須走り口から富士山に当時8歳の息子と登りましたが、剣が峰やお鉢巡りをしていない、写真を自分の分をとっていないなど、いろいろ思い残すことがあったのと、子供が今年も登りたい、ということで今年も登ることにしました。昨年の下山では砂走りでダッシュしたために足腰をいためて途中から激痛に耐えながら最後の樹林帯を下りるはめになったため、今年は1年間週3日の水泳で心肺能力を上げることと5月のGWから週3日程度のランニングで足腰を鍛えて臨みました。
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1回目:7/13(金)富士宮口:霧のち暴風雨:1人

前日まで関東地方は非常に暑い日が続き、Webのライブカメラを見る限りは何とか天候ももちそうだったので決行しました。自宅のある鶴ヶ島市を午前3時に出て首都圏中央連絡自動車道路(いわゆる圏央道)鶴ヶ島から乗って入間で下り、再び中央高速八王子から高速道路にのって富士五湖道路須走り、富士山スカイライン経由で富士宮新5号目に行きました。途中、谷村PA付近で日が昇り始め富士山頂もよく見えていました。しかし西側からは雲が這うように張り付いており天気予報どおり静岡県側は天候が思わしくないようでした。大月JCTを過ぎたあたりからはほとんど自動車と会うこともなく、富士山スカイラインを登り始めるころには濃い霧に囲まれましたが、午前5時半には新五合目駐車場に到着、登山道入り口横にとめることができました。回りは一面霧でほとんど何も見えない状態でした。とりあえず、おにぎり2つを食べ、長袖の服をTシャツの上からはおりました。周りを見回すと親子で登るらしい人がいましたが、まだシーズン始めで平日のせいかそれ以外は人気も無く、閑散としていました。登山口前のお土産物やで金剛杖を購入しましたが店にも人がいなくて結構寂しいものがありました。

結構寒そうでしたのでウィンドブレーカーを羽織って5時45分に新五合目を出発しました。登り始めて右に曲がると立派なトイレがありますが、それを横目に登ります。トイレを過ぎたあたりから雨がふりだし、風も強くなってきたためウィンドブレーカーを脱いで雨具に変更しました。霧は相変わらずで回りの景色は全く見えません。下山のときに知りましたが、登山道のすぐ横にブルトーザー道があるのも分かりませんでした。気が付くと、すぐに新六合目に到着。焼印をもらうため雲海荘によりましたが、店の主人に「ここから軍手をしたほうが良い、ぬれたら絞ればいいんだから」と言われここから軍手をしていくことにしました。軍手は雨に当たるとびしょぬれになるのでもっと手が冷たくなってからにしようと思っていましたが、後々考えるとここで軍手をしたのは正解でした。絞ればよい、というのはちょっと考えればあたりまえですが、気が付いていませんでした。富士宮口は結構岩場が多いのと暴風雨で吹き飛ばされそうな状況での登山だったため、とにかく岩やロープにつかまる(本当はやってはいけない?)ことが多く、軍手をしてなかったら手がボロボロになっていたと思われます。

6時20分新六号目出発しましたがここから本格的な登りになり、砂礫の道を登っていきます。このあたりから下山してくる人に会うことも多くなりました。霧は相変わらず濃く、つづら折の道を右に曲がるところでは吹き飛ばされそうなぐらいの強風で、ただひたすら下を見ながら登っていきました。新七合目ではご来光山荘で焼印を押してもらう間休憩をしておりましたが、このころが一番雨がひどく、ザックカバーを持っていなかったのはまずかったかな、と思うほどでした。この日は御来光山荘は内装工事をやっており、お客さんはいないようでした。

とにかく霧が深くて回りは全く見えない上、初めての富士宮口登山道のため次の山室に着くまでどのくらいかかるのか不明でひたすら登ることだけを考えて歩いていました。私にとっての富士登山は素人にとってはきつい分、日常のことを全て忘れて歩くことだけに集中するので日頃のストレスを忘れられるところがよいところだと思います。元祖七合目に着く頃には雨は小降りになってきていましたが、外に「準備中」の看板が出ており人気もなかったのでそのまま素通りしてしまいました。この後、八合目、九合目、九合五勺の山室で焼印を押してもらいながら登りましたが下ってくる人も登っていく人も少なく、九合目のアルバイトらしき方の話では「まだ今年はほとんど人がいない」ということでした。

登山前には昨年須走り口から上ったときに7時間かかったので、今回は5時間程度で着ければ上出来かな、と思っておりましたが、9時40分には到着してしまい予想外でした。やはり富士宮口は距離が短いことと須走り口に比べて新七合目以上に岩場が多く登り安いためだと思われます。

山頂に着くと2人しか登山者がおらず、寂しい状態でした。山頂の御朱印を金剛杖に入れてもらい、山頂郵便局で富士登山証明書、組切手帳、カモメールを購入して家族宛に手紙を出し、剣が峰を目指すことにしました。ところが霧が深くて剣が峰がどこにあるのかも分かりません。途中まで行って、引き返し、富士館の方に伺い、再度挑戦しました。勾配がかなりきついというのは聞いていましたが、砂礫の道でずるずる下がってしまう上、横殴りの強風、霧で山頂も見えず、の状況ではやはり辛いものがありました。富士山測候所にも人はいないし、強風がひどくなる一方だったので早々に剣が峰を下りました。この頃ちょうど新しいトイレを作っているのを見かけました。山室付近に戻り、昼食には早かったので残っていたおにぎり1つとチョコレートをつまんで下山することにしました。

結局、1時間以上も山頂にいて11時から下山をはじめました。富士宮口は登りの時の長所だった岩場が短所となり、足腰に負担がくるものでしたが、ペースを抑えて慎重におりたのため昨年のような足腰が痛くて動けない、というようなことはありませんでした。しかも下りは九合目ぐらいから天候が回復して眺望が開けたため上りの時には気がつかなかった周辺の様子を見ながら下りれたのは幸いでした。宝永火口下山時は八合目で雨具を脱いだ時と本七合目で焼印を押してもらったときに休んだだけで1時30分には新五合目に到着しました。さすがにその頃には新五合目も混雑していましたが、それでも売店周辺だけしか駐車場は使われていませんでした。振り返ったときに見えたレーダードームが印象的でした。

帰りは御殿場から東名を使って厚木で下り、あとは一般道で帰りましたが、一般道の渋滞がひどく午後2時に新五合目を出発して家に着いたのは6時半でした。

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富士宮口から登っての印象:七合目以上は砂礫のところが少なく非常に上りやすい印象でした。ハイペースで登るには適しているように感じますが、登山道と下山道が共用になっているということで人が多い週末や八月中旬は登りだけでなく下山も大変かと思われます。また、大きな岩場を下るのは小さな子供には向かないので子供連れだと大変ではないでしょうか?また、見上げた時にかなり岩がせり出しているところが見られましたが、落石が非常に怖いです。(落石は次に登った須走り口で実際に経験して思いました。)また、山室のトイレはすべて入り口に「宿泊者用です」と書かれていましたがこれは富士宮ルート独特のものですか?私は新五合目のトイレしか利用しなかったので問題ありませんでしたが。

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2回目:7月31日(火)須走り口:晴れ:子供連れ

今回は小学校3年生の息子を連れて登りました。昨年も須走り口から登っているのでルートはよく分かっており、比較的余裕でした。天候も非常によく風も弱く、新五合目の山小屋の方に「こんな日は年に数回しかない」と言われるような日でした。

昨年、前回と同様午前3時に家を出て須走り新五合目に着いたのは5時20分ぐらいでした。前回と同様、自動車の中で腹ごしらえをしてトイレを使わせてもらい、5時45分に新五合目を出発しました。まずすぐに見えてくる古御岳神社で2人でお参りをしてから樹林帯を歩きます。このあたりはまだ子供も元気で会話も弾みます。樹林帯を抜けて山肌が見えるところまでくると直射日光があたるので、休憩して日焼け止めを塗ると同時に長袖の服を脱いで2人ともTシャツで登り始めました。須走り口は新五合目から六合目までが非常に長いので子供連れや初めての人には目標がないと辛いところですが、六合目は樹林帯を抜けたところから見上げると白い棒が小さく見えるのでそれを目印に励まします。昨年は樹林帯を抜けたところで声が出なくなってきていましたが、今年はまだまだ普通に会話しながら登っていました。1年で子供も体力が大きくついたということでしょうか。一気に六合目瀬戸館まで上がって休憩しました。今回は子供が金剛杖を持って焼印を押してもらうことにしていましたが、瀬戸館は焼印ではなくハンコです。(ただし100円)ちょっと残念だな、と思っておりましたが、次の七合目太陽館まで行くと今度はステッカーしかありませんでした(100円)。はやり金剛杖には焼印でないと様にならないな、と思いましたがしかたありません。六合目以降は晴れたり雲の中に入ったりで見晴らしがよいというわけにはいきませんでしたが、登山には暑すぎず寒すぎずで適当でした。七合目から長袖の上着を着て八合目以降を上りましたが、それ以上の重ね着は不要でした。七合目からは山室がすぐ上に見えるので目標も取りやすく子供には良いようです。九合目には山室がありませんが鳥居が目印になります。水と食料は高山病対策のために休憩の時に意識的に取りました。途中八号目の上あたりで急患らいしい方を乗せたキャタピラつきのトラックが下りていくのを見かけました。高山で何かあると大変だなぁ、と思ったしだいですが、富士山ならではの光景でもあるな、と思います。普通の3000メートル級の山だったらブルトーザー道なんて無いわけですから。九合目を過ぎるとさすがにきついらしく子供は話をしなくなってきましたが、後少しです。山頂の鳥居を指して励まします。結局前回は7時間かかった登りが今年は5時間25分、11:10に到着しました。写真をとり、久須志神社で御朱印を押してもらったあと、多少早めではありますが、山頂山室でうどんと持っていったおにぎりを頂きました。山頂ではやはり麺類がおいしいですね。

うどんを食べて少し休んだ後お鉢めぐりをすることにしました。7月13日に剣が峰に登った経験上、あの急勾配を上りたくなかったので反時計回りで回りました。ところが子供の様子が金明水を過ぎたあたりからおかしくなり、「おなかが痛い、トイレに行きたい」と言い出しました。しかし、すでにどちらかというと富士宮口の頂上の方が近いところまできていたため休み休みスローペースで進み剣が峰を横目に富士宮口のトイレまで行きました。新しいトイレはなぜか使用禁止になっていました(後で水不足で使えないことを知った)。ところがトイレに入っても「何も出ない」と言って出てきてしまい、「トイレには行きたくない、頭が痛い、登りは疲れていやだ」と言いはじめます。この時点で息子が高山病にかかったのを理解しました。といっても須走り口に戻らないと自動車に戻れないので御殿場口の山頂からNTTにかけての登りをだましだまし登らせ休憩を多めに入れ、深呼吸を意識的にさせながら須走り口下山道入り口までたどり着きました。結局お鉢めぐりにちょうど一時間半かかりました。須走り口下山道入り口のトイレも新しくなっていましたが、やはり使用禁止状態で使えないようでした。

下山を始めると息子もとたんに元気になり、会話が戻りました。やはり下山は富士宮口よりこちらの方がはるかに楽です。岩場もなく子供でも楽に下山できます。七合目からは砂走りに入り、昨年と同じ失敗をしないようにするために意識してゆっくり歩きました。それがよかったため最終的には昨年のように足が痛くなることも無く下山することができました。ただ、砂走りに入って1/3ぐらい下りたところで5メートルぐらい離れた横を直径1メートル近い石が音も無くものすごい勢いで転がり落ちていくのを見たときは背筋が寒くなりました。転がり落ちていったところは砂走りルートの端で、人がいることも十分にありえます。その石が落ちていった後、振り返ると直径20センチメートルほどの石が3,4個ころがり落ちてきましたが、それらは下山道に入る前に止まったため大事には至りませんでした。砂払い五合目に着くまでは気が気ではありませんでしたが、落石と落雷は非常に怖いものだと実感しました。(次の日は山頂で落雷のために亡くなられた方がいたというのを新聞で読みました。)

下山後は「るるぶ富士山」に載っていた富士山の温泉「天恵」に寄って埃をおとしてから帰宅の途に着きました。さっぱりしてから帰るというのは非常に良いものですね。

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須走り口から登っての印象:樹林帯から始まるのでピクニック気分で始められるのは良いが、最初の山室に到着するまでが長いので子供連れなどでは飽きないようにする工夫が必要だと思います。また、距離も長く時間もかかるので「とにかく山頂に行きたい」人には向かないでしょう。下山は専用道があるので富士宮口ルートに比べて非常に楽だと思います。なお、このルートは穴場として紹介されていたので昨年、今年と利用しましたが、今年は駐車場に至る道路のいたるところに昨年は無かった「バス通行のため路上駐車禁止」の看板がたっており相当混雑することが想像されます。(「あっぱれ富士山」のHPにもレポートが載っておりました。もう穴場ではないかもしれません)また、今回、登山道にペットボトルが中身入りのまま捨てられているのを見ましたが、重くて大変ならば中身だけすててボトルは持っていってもらいたいものだと思いました。そのままにするのは何なので中のお茶、ジュースを捨ててボトルは持ち帰りましたが。モラルは下がる一方ですね。悲しいことです。

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時間:

新五合目  5:45 六合目   7:30七合目   8:30本七合目  9:00八合目   9:30本八合目    10:00八合五勺  10:15 山頂    11:10

お鉢めぐり 11:45〜13:15

下山開始  13:15砂払い五合目  15:15 新五合目着  15:40

■11 あこがれの富士山頂へ (7/16 吉田口 小田原市 Fさん)

私たちは、女性3人。そこそこに山歩きを楽しんでいる50代、江の島に自転車で通勤している(私だけ電車+自転車)。橋から海越しに眺める朝夕の富士はとてもやさしい。今年はゼッタイその富士山へ行こうと、初挑戦の2人と日程合わせをして早々に計画を始めた。最も確実なルートを捜し、吉田口から登山、8合目で宿泊、下山は須走口を予定、さらに前に御庭のお中道、下山後に温泉入浴をプラスという計画ができた。余裕たっぷりの計画で、天候がよければ御鉢巡りも可能、夜間登山はなるべく避けて、状況に応じて柔軟に対応する方針だ。念入りに翌週の予備日も用意。

さて、その結果は?

行程<7月16日(月)〜17日(日) 晴れ>

9:45 御庭バス停(お中道)−−−11:15 五合目駐車場(昼食 12:15発)−−−17:45 八合目 蓬莱館(泊 1:30発)−−−2:30 本八合 富士山ホテル(休憩・御来光 4:50発)−−−7:15 久須志神社−(朝食・休憩)−8:15大日岳(3750m)−−−8:30 下山−−(蓬莱館経由)−−12:30 五合目駐車場(時間はアバウト。御鉢巡りなし)

近づく富士山にワクワク

国府津駅から御殿場線、富士急バスを乗り継ぎ、途中何度か富士山を眺めて楽しんだ。河口湖発五合目ゆきバスの発車まで30分待つので、富士吉田駅で途中下車して、タクシーを奮発した。地元の運転手からいろいろ聞くことができ、本栖湖から南アルプスの方までよく見えた。通行料往復も含め11,000円強。バス代は1,700円のところだが、50分ほど節約できて、案内ガイドつきなら、そう高くはない。

花ざかり

御庭から五合目駐車場までお中道を歩く。ここは森林限界に沿った遊歩道。森林帯には、針葉樹の間に、ハクサンシャクナゲ、コケモモ、ベニバナイチヤクソウと濃淡のピンク系の花々。ミヤマヤナギの綿毛の実がかわいい。展望が開けた砂れき地には、オンタデ、ミヤマオトコヨモギ、イワオウギ、フジハタザオ、ナナカマドと白や黄色の地味な花々。8月にはムラサキモメンヅルが咲くだろう。この道は、登山の足慣らしにおすすめ。春から秋まで気軽に楽しめそうだ。

また5合目から6合目の道には、オレンジ色のクルマユリ、紫系のヤマオダマキ(?)などカラフルな花も。さらに驚いたのは、7合目あたり、突然、木々が這うように茂る所があって、20センチ丈のハクサンシャクナゲに見事な花。しばらくタカネツメクサ、ミヤマオトコヨモギ、フジハタザオ、オンタデくらいなものだった。頂上にはコケや地衣類しかないが、岩場にタカネスギゴケが元気に育ち、蕾のようなサク(胞子をつける部分)をいっぱいつける。

田部井さん

NHKのほっとモーニングのロケ隊と前後した。田部井淳子さんの姿を目の前に。ゆったりと山歩きを楽しみ、みなで喜びを分かち合う、ステキな方だと思う。その時は、記念に同じ宿に泊ろうと決めた。荷揚げ担当のスタッフは30キロを越えるザックで登る、スゴイ! 田部井さんのエッセイは7月26日の朝日新聞に、放送は見損ねたが8月1日(HPにはじめての富士登山のコツも紹介)だった。

崩落止め

登山道の右側の大沢には巨大な崩落を防ぐ堰堤が多数。拡張された登山道は、石垣と防護壁で守られる。こんな富士山はウンザリと思う一方で、一夏何十万の人が通るならそれなりの安全策が必要かなと納得。工事に携わった方々のご苦労に深く感謝。ほかにも見えないところで大勢の方々が、登山者の安全のために働いているのだ。危険と隣り合わせの仕事も多いだろう。

登り一歩の長いジグザグ道は辛い。7合目まで人を乗せて登る馬と馬子さんはエライ。

私はどうしても遅れる。高度に強いNさんは、2人の荷の一部を引き受けてリード。それでも遅れる私は、体調が今イチのためマイペースで行くことにした。このNさんの配慮がうれしい。

山小屋

今回は、予約なしの現地決定。理由は、天候、体調、団体客の有無など不確定要素が大きい、夏休み前の平日と混雑を避けたため。田部井さん一行と台湾のツアーの宿となった太子館を通過して、次の蓬莱館へ。

私は、夕食のカレーを避け、素泊まりの料金を払って、夕食にうどんを別注する。あったかい一杯のお茶がおいしい。

ここが本日のハナマル。若い従業員が明るく、いい感じ。トイレがきれい、布団もきれい、他のグループと十分に距離をとって寝場所を指定される。小窓からは、星空と、河口湖・山中湖・横浜の方向がよく見える。実は帰路も忘れ物を受け取りに立ち寄ることになった。

高山病

私は食欲がなく、少し頭痛。Hさんが到着後すぐの仮眠中に気持ちが悪くなった。クールダウンしてから寝た方がいいのかもしれない。7合目トモエ館の主人は、下の方で高度に慣らす方が安全で、かつ昼間寝る方が静かでよく眠れると言っていた。

やはり、静かな山小屋ではあっても、夜中に休憩に入る人、出発する人で絶えず出入りがあるので、熟睡できない。

夜中に突然の強雨。予報では晴れだが、先のことはわからない。予定を早めて各自軽食、ストレッチなどをして、1:30に霧雨の中、出発。雨が上がってきたが、とにかく眠い。本八合の富士山ホテルで御来光まで休息。主人いわく、今日は頂上の御来光は保証しかねる、ここは、お日様を仰ぐ角度が丁度いい。とにかく休む理由を見つけたという訳だ。

御来光

吉田口はどこからもOKなので、安心だ。4:30が近づくにつれ、光の具合が刻々変化していく。雄大でデリケートな光と造形。一面、雲海が下界を蔽う。湖は見えない。最初は鈍いオレンジ色の太陽、しばらくすると、すぐ上の雲の上から再び輝く太陽。偶然に二度御来光になった。

頂上へ

それからが、本当に胸突き八丁。いよいよ傾斜がきつく、空気が薄れていく。休み休みののろい歩み。天気は上々、明るい道は気持ちがいい。苦しいけれど、この悠長な時の刻みが何とも言いがたい。はるか上を行く2人と時々存在を確認しながら進む。

頂上に着いた! 3人そろって記念撮影。やはり富士山、すいている日でも人が多い。気温は冷蔵庫より低く、好天でもゴアテックスの雨具上下を着て丁度よい。

朝食におしるこを注文。はしを忘れたのかと、催促すると飲み物という。ゴミ減量のためと言えばいいのに。だれでもはしとスプーンを持っていこう。ここで提案、はし、スプーン持参の人には値引きがあればいい。

巨大な噴火口をのぞく。ここからまた噴火が起こるのだろうか。 昨夜の雨により溶岩の岩壁から水が滴り、そこに緑色のきれいな甲虫がいた。大日岳に上がると、鳥居の木目の間に、びっしり硬貨がはさまれている。何のおまじない?

帰路

下りは、吉田口。江戸屋からブルドーザー道を横切り、蓬莱館へ。再び下山道に戻り、ひたすら下った。最後の六合目から五合目がとても長く感じる。途中、泉ヶ滝が馬の水場であることがわかり、ちょっとうれしい。

帰りのバスでは、みんな爆睡。目覚めてきた御殿場線の中では、話しかけてくるお客と富士山の話。ついでに余談だが、持ち帰った空ペットボトル3本はみなへこんでいた。これはフタを閉めるのが条件。

最後に

ホームページからは、いろいろな方からの新しく、役にたつ情報をもらい、富士登山は百人百様でいいとわかって安心した。たいへん感謝している。

前回は、30年前。母と富士宮口を登り、御鉢巡りをして御殿場口を下りた。今回も相当年配の方が多く、ゆったりと楽しんでおられた。

今年6月に行った須走口5号目は、高木の樹林帯が続き、お気に入りの場所だ。菊屋でお茶をごちそうになったり、グランドキャニオンや幻の滝のことを教えていただいた。いつか須走口から登ってみたい。富士山は雄大で奥が深い。樹海、御中道、宝永火口、小富士など気軽に行ける所も多いから、少しずついろいろな富士山を堪能しよう。

■12 登ってきました (8/4 koiwaiさん)

 8月4.5日に富士山に登れました。後悔しない富士登山。すごく参考になりました。3回目の富士山ですが,最高に良かったです。御殿場から登るなんて,考えてもいなかったのに、あのホームページのおかげで、登れました。剣が峰まで行けたんです。
 ありがとうございました。現在67歳。大きな病気の後でしたがすごく,すごく,うれしかったです。


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