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5合目駐車場から7合目の山小屋「大陽館」まで
   7合目から山頂まで  山頂から下山まで


午後1時半→ 須走口駐車場から出発
登山道入り口には2軒の山小屋があり、椎茸の香りのするお茶をごちそうしてくれ、「行ってらっしゃい」と手を振ってくれた。 きれいなトイレがあるので必ず寄っておこう。\200 歩き始めてすぐの所に小御獄神社がある。この右側から登山道が始まる。
野バラが咲いていた。他に登山者の姿もなく、静かな山歩き。  動画120K 足下には高山植物が
整備された緩やかな道  鳥のさえずりがずっと続いている。富士山の自然を満喫 3:00PM やがて6合目(林館)につく。ここが2400m

午後5時半 8合目を目指すも7合目で宿泊(本日の行程、4時間)
段々と木がなくなり灌木だけになる。小さな岩が露出してくる。少しづつ勾配がきつくなる。
(1.3MegaQT)
本6合目瀬戸館前。まだやっていなかった。 緑がなくなってくる。しかし、道は悪くない。歩きやすい。7合目の小屋が見えてくる。
緑もなくなって富士登山をしている雰囲気になってくるが、小屋まではもう一踏ん張り 5:30PM頃 7合目「大陽館」着。標高約3000m
富士山頂、9合目の鳥居、8合目の山小屋、本7合目の鳥居のある小屋「見晴館」はすぐそこに見える。出来ればそこまで行っておきたかったが、同行者の1人の具合が良くないので、急遽ここで泊まることにする。おかみさんと記念撮影。
小屋の内部。愛想の良いアルバイトの青年が2人、食事の支度をしていた。2人ともネパールに滞在経験のある山男。8月末までいるらしい。
 1泊夕食付き料金を先払い。普通の山小屋より\500高いが、夕食が違う。
 陽が沈んで小屋の外にでてみると、8合目の山小屋の明かりがつき、下界の町の灯りが遠く小さく見えてとてもきれい。あとは広い空と富士山の巨大な溶岩の固まりだけが視界に入り、改めて富士山の大きさを実感します。この雰囲気を味わえただけでも来てよかったと感じる。
富士山の山小屋では随一といわれる夕食。ハンバーグにキャベツ、サンマの蒲焼き、昆布の佃煮・・、有り難いことに暖かい豚汁とご飯、お茶などはおかわり自由。
 ちなみにほとんどの山小屋では小さな発泡スチロール皿に入ったカレーライスが定番。
寝室は2段ベッド。布団は豊富。夜はランプがともり、外のトイレも明かりがついているので、懐中電灯はなくてもOK。だが、勿論荷物の点検などの際には、あった方が良い。 大陽館データ:

電話:0550-75-4347
  090-3158-6624
館主:関 次廣
収容人員:150名
営業期間:6/1〜10/15
1泊2食付き:\8925
素泊まり:\6300
(2005年7月現在税込み
2005年トイレ改築、簡易水洗となる)

おまけ:高山病の話

「大陽館」で、夕食後ストーブに当たりながらみんなで色んな話しを聞きました。なれそめから、富士の強力の話(史上有名なプロジェクト・黒部第4ダム建設の時、富士の強力達が派遣されたのですが、毎日1人80Kgの荷を担ぐ彼らの食事は色々考えた末豚汁だったそうです。だから、ここも夕食に豚汁が出る)、台風の時200リットルのドラム缶がす〜〜っと動く話、そして高山病の話。

 ここではストーブを囲んで,スタッフや同宿の客で様々な話題に花が咲くこともあり、なかなか魅力的な山小屋である。安心してくつろげる雰囲気があり、山の楽しみを膨らませたい方にはお勧めです。

 大陽館のパンフレットにはこう記されている。
「・・・当館は開館以来「御来光」「山頂登拝」と共に、最近何かと問題になっております「心」のいやしについても、お役に立ちたいと思ってきました。
 登山は、私達にとっても決して楽なことではありません。山頂へたつことも大切ですが、山頂へ行くまでに楽しみながら登ることはもっと大切なことと思います。・・・
 当館にゆっくり滞在して、夜行日帰りの難行苦行では味わえない自然の恵みを感じ取ってください。夜は星、月、夜景の楽しみ、朝は御来光に感動し、運が良ければ紅富士を拝みます。運悪く雨天に出会えば、小屋脇の幻の滝を鑑賞し、山の雨風、自然の厳しさを感じ取ることが出来ます。
 高山病になっても、当館の標高なら、多少の個人差はありますが、高度順応に最適であり可能です。」

 「御来光もいいけれど、山頂もいいけれど、日本一の富士の山、ただそれだけじゃもったいない。ゆっくり歩いて哲学気分。日本の姿が見えてくる。日本の心が見えてくる」

 「当館ご利用の方には、富士山の楽な登山法や、高山病の予防法をお教えいたします」

 さて、前置きが長くなりましたが、この山小屋で行われている高山病の治し方についてです。
 私達が泊まったとき、既に2人の中年の女性が休んでいました。他の家族は8合目を目指して登り、彼女はここでダウンしていたのです。見るからに具合悪そうで、夕食時食堂に現れましたが半分も食べられず、小屋の人には少し起きていた方がよいといわれましたが、ともかく休みたいという気分らしくすぐ寝室に戻りました。でも、30分もしないうちに、具合が悪いと再び食堂に現れました。典型的な高山病です。そこで、早速、おかみさんによる高山病の治療が始まりました。本当はもっと早くやれば良かったのですが、本人が本当に苦しくなるまで(本気にならないので)やらないらしいです。

 何でもこの小屋の親父さんは、昔、スポーツ少年団のリーダーとして毎年富士登山にやってきていてそのたび高山病になり、何とかして克服したいと工夫に工夫を重ねたとのことです。そして、編み出したのが、風船治療(私が勝手に命名)です。

 高山病の原因は酸素不足です。その治療は酸素を供給することです。酸素ボンベを吸うのは一時的なことで、自力でやれなければこれ以上登ることはおろか、ゆっくり寝ることも出来ないでしょう。
 子供が高山病の場合は親を遠ざけておばさんと子供だけでやるそうです。誰にも頼らず自力で克服することを教えるのです。
 その方法は、腹式呼吸をすること、特に女性は難しいので、意図的に行わなければなりません。そこで風船を使います。胸式呼吸では風船を大きくふくらませようとしても反撥する力に負けて息を吹き込めません。ちゃんと腹式呼吸が出来ているかどうかは風船のふくらみ具合で目で見て分かるというのが、このアイデアの優れたところです。
 おかみさんは、この高山病に苦しむ女性のためにつきっきりで、励ましたり気合いを入れながら、風船をふくらませ続けました。風船をふくらませるのは沢山勢いよく吐くということです。沢山吐けば自然に沢山吸えるのです。おなかが痛くなるほどぎゅっと吐きましょう。特に女性は腹式呼吸をしないので無理矢理やらないと不完全です。最初の5分、2、3回風船をふくらませた段階で、楽になってきたようです。やがて、眠くなってくるがさらに頑張って頭がすっきりするまでこれを続けるのだそうです。目標は4回で風船を割るんだそうです。全部で30分。最初の10分はこれまでの高山病の治療、次の10分は今夜眠るため。そして明日のためにもう10分。

次の日の朝、彼女は爽やかな笑顔で御来光を仰ぐことが出来ました。
本当に富士山は人間に色んな事を教えてくれるのです。

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