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気になる 富士山のトイレ

 ホームページ作者としては、あまり触れたくないのが富士山のトイレだが、やはり気になるのもトイレだろう。とりあえず、富士山にはトイレがある。

 一応、河口湖口登山道の山小屋のトイレ写真を掲載しておこう。

5合目レストハウス  6合目穴小屋  7合目日の出荘

5合目県営トイレ(水洗)   6合目のトイレ    7合目日の出荘のトイレ

8合目白雲荘       

7合目鳥居荘トイレ入り口    8合目白雲荘のトイレ

  

 8合目富士山ホテルのトイレ   下山道7合目の県営トイレ

 

 汚いとか何とか言っても、ともかく一応使えるトイレが各山小屋にありますので、心配はいりません。(それでも山頂のトイレはあまりに悲惨なので使わないほうが良い)

 しかし、これが大問題になっているものでもある。世界に誇る霊峰富士、高さは日本一の山なのに、日本一汚いとされているのだ。自然保護活動も十分でないという理由で世界遺産への登録もされないらしい。これは日本の恥そのものだ。

 スバルラインが富士の美しい山肌を削り、自然破壊が進んでいるのは、スバルラインの両側の木がなぜか枯れているのを見れば分かる。これは自然に枯れたのではなく、道路を作ったために生態系が変わり、おそらくは風がもろにあたるようになったりして枯れてきたのである。同じくスバルラインの開通によって、それまでの富士講の人々が修業の場ともして来た富士登山、「霊峰富士」のあり方も変わり、登山の様子も一変した。誰もが簡単に登れるようになったのである。それにともなって吉田口の登山道は寂れる一方となった。

 たくさんの人が簡単に5合目までやって来る。5合目の駐車場に着くと富士山には似付かわしくない、まるで都会のように大きなけばけばしいコンクリートの建物が建っている。国立公園とは国の宝として人々が畏敬の念を感じるような場所を特定したものだ。日本の象徴であるべき富士山にふさわしい施設に改善して欲しいと思うのは私だけだろうか。あるいは、アメリカのグランドキャニオンのように、レストランや土産物施設などは国道近くの「下界」に集中させて、景観を守るべき所にはそのようなものは作らないということになれば、日本も文化国家の仲間入りというべきだろう。
 ところで、人がたくさん集まればごみを捨て、屎尿を排泄する。これはいったいどのように処理されるのだろうか。スイスではどんな高い山の上でも、その屎尿は必ず下界に下ろして処理するらしい。富士山では・・・、垂れ流しである。あまりにたくさんの人が富士山に登るようになったため、自然浄化も間に合わない。莫大なお金をかけて処理する施設を造った山小屋もあるが、カンバをお願いする箱からお金を盗む人もいるらしい。情けない話だ。山梨県では何億もかけて新しいトイレを7合目の下山道に作った。年間維持費だけでも1000万円以上するらしい。善意を頼んで有料である。しかし、それでも払う人は半分くらいらしい。富士山を汚すだけ汚して帰るような人たちは富士山に登る資格がない。

 このページを読んでくれる皆さまにお願いです。富士山に登るのは申し訳ないような気もするが、それでも登る以上、絶対にごみは捨てないこと、気がついたら1つでも拾って帰ること、トイレはなるべく使わないようにしたいものだ。

 ティッシュは使ってはいけません。いわゆるティッシュは水に溶けません。もし使うならロールペーパーを丸めて持っていってそれを使うこと。

 しかし、ついに2003年頃から 富士山のトイレは急速に改善され始めました。バイオトイレが山頂やいくつかの場所に設置され、また、簡易水洗焼却型のトイレなども増えてきました。まだ、十分とは言えませんが、良い傾向です。莫大な経費がかかるため有料ですが協力して下さい。

 そして、これを機会に富士山の自然保護について関心を持っていてください。日本一の山、日本人すべての憧れであり、よりどころでもある富士山、既に美しい存在ではなくなってきていますが、これを美しい山として残すための運動も官民一体で始まりました。トイレのことでごちゃごちゃとうるさいことを書いたようですが、これが事実です。これを機会に少し関心を持っていただければ良いと思います。


 NEWS(2003/6/1)・・・富士吉田市の広報No.629によると、
 「富士山の山梨県側の山小屋経営者らが昨年の12月11日に【富士山吉田口環境保全推進協議会】を設立、ゴミの不法投棄やトイレのし尿処理の問題改善に積極的に取り組むことを決めた。・・環境に配慮したトイレを整備するには、2000〜3000万円の費用がかかる。国・県の補助金を差し引いても数百万単位の自己資金が必要で、補助金を受けるにも順番待ちの状況である。・・・また、もう1つの問題のゴミ対策として、今まで山小屋から排出され一部で野焼きや埋め立て処理されていた生ゴミを、麓まで運んで処理することを決めた。・・・(会長の)井上さんは、「山小屋業者も富士山の環境を守ろうと、交代で登山シーズンには富士山の清掃を続けている。富士山に来る観光客の皆さんもマナーを守ってゴミを出さないでもらいたい。捨てるのは簡単かも知れないが、処理する大変さを分かってもらいたい」と真剣に話す。」


もう1つのトイレ問題 女性のために

ある女性から、投稿がありましたので、ここに掲載します。

女性のトイレ問題でさけて通れないのが、月に1度やってくるあれです。
太陽館のトイレに張り紙がしてありました。(全文を暗記はしてませんが、こんな内容でした)

 汚物をトイレに捨てないでください。みなさんが捨てた汚物は、女子従業員が一つ一つ拾って下に持って降りています。男子従業員もそれが捨てられている事にあきれてます。汚物は各自で持って帰ってください。 と・・・

富士山のトイレのし尿などなどでさえ大問題になっているのに、ビニールでくるまれている汚物なんて、一生土に返る訳でもないしホント悪臭のモト!富士登山だと普段は山には登らない人々が大半でしょうから、「汚物は当然トイレで処分するもの。持って帰るなんて冗談でしょ!」って思うんでしょうね。

でも良く考えてみれば土に返らないのは当然の事だし、大量の他人の○○○の中からそれを1つ1つ手で拾うという作業って・・・考えただけでも頭がくらくらしますよね。そんな山小屋の人たちの苦労をみなさんに考えていただきたい。

だから、「富士山のトイレに汚物入れはない!最初からしょって降りる気持でいて欲しい。それがいやなら、その時期には登らない。登山の日程をずらせないのなら、生理の日程をずらすようにして」とぜひ書いていただきたいんです。

実際問題、生理の時期に富士登山・・・っていうのも、余計な荷物も増える訳ですし、体力的にも辛いとは思うんですけどね。」