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失敗しない・誰でも登れる・苦しまない?
一番安全な?

夏休みの模範プラン

マイペースで悠々と登ろう

夜の富士山

夏休み、夜明け前は大渋滞

■ 結論は、「夜間登山はしない」

 1998年7月、生まれて初めて富士登山をし、その後このホームページを作成してから、たくさんの方からメールをいただいたり質問を受けたりしました。その度に色々調べたり、自分で歩いてみたりして、分かったことをここにまとめます。

 多くの質問は、初めて登るのだが大丈夫だろうかというものが一番多かったのです。多くの方は普段山に登ることも少なく、富士登山が事実上初めての山歩きだという方も多いようです。
 誰もが望むのは、
一番楽に山頂に行きたいということでしょう。わざわざ苦労して危険な思いをすることはありません。しかし、できればご来光も拝みたい、だって素晴らしいらしいから、・・・そりゃそうでしょう。お鉢巡りもできればしてみたい、装備も軽くしたい・・・

 そこで、一般的Mサイズお勧めのプランです。どちらも山小屋泊プランです。夜行日帰り、日中日帰りは難行苦行の可能性があるので、初心者や中高年の方にはお勧めできません。

お勧め

 登山口は4つありますが、河口湖吉田口〔富士山の北東、スバルラインの5合目:標高2305m)又は須走口(富士山の東南、標高2000m)を出発して富士山の東斜面を登るもっとも一般的なコースを登ります。これは体力体調の個人差があってもご来光はどこでも見られるためです。特に吉田口は、団体も多いため山小屋の数も多く道標も完備して昼夜を問わず安全だと思われます。
 でも,どちらかと言うと、初日の行程は長くてもどうせ山小屋に泊まって疲れを取れるので、自然の豊かな須走口の方が楽しいと個人的には思います。また本当の富士山の静かな自然を楽しむなら、お勧めは須走口です。須走口からの場合は、7合目の「大陽館」または本7合目の「見晴館」で泊まります。ただ、須走口は森林帯を抜けるため夜やもやの多いときは避ける方が無難です。

 午後12時過ぎ頃、五合目を出発します。庇のある帽子を忘れないこと。ゆっくり登って夕方7〜8合目の山小屋に着きます。早くつきすぎる心配は無用です。暗くなる前に到着して高度に慣れることが大事です。くれぐれも急がず、空気に慣れることを第1に考えましょう。無理は禁物で、高山病の症状は休んだあとに出やすいもの、夜寝てから苦しくなってくる人も多いので、個人差があります。
 出来れば無理せず、7合目あたりで早めに休んで体調を回復、高度に慣れるようにした方があとが楽かも知れません。「出来る限りいけるところまで行く」などと考えて上を目指すのは考え物です。上に行くという事は「なるべく空気の薄いところにいく」と言う意味ですから。3400m以上で高山病になったらなかなか回復しないでしょう。山小屋は体調を整え体力を回復するために利用するのですから、高山病になって回復できないとか、眠れない、とかでは山小屋に泊まらない方が良いみたいなものです。また、富士山の山小屋はサービスが悪く評判の悪い時期もありましたし、今でもそういうところもあるようですが、次第に改善されてきているようです。山小屋で大事なのは、食事とか設備より(それほど差がないので)、そこで休める、安心できると言うその山小屋の雰囲気ではないでしょうか。勿論、トイレがきれいに越したことはありませんしなるべくそういうところを探したいですが。
 
スバルライン5合目から登った場合はとりあえず、7、8合目と言っても登り口により命名に差があり、かなりの高低差がありますが、下から7合目の日の出館、8合目なら白雲荘(3200m)が新しくてきれいで従業員への教育も行き届いていて評判も良いようです。高さ的にはこの辺で(経験的にも高度200mの差はかなり大きい)止めておく方が高山病が心配な人には良いかも。山小屋的には、本8合目胸付江戸屋(3400m)、8合目下江戸屋(3350m)もトイレもきれいでサービスもよいようです。沢山の山小屋がありますので、体調や混雑具合により、この中から選んではいかがでしょう。上に行っておけば楽なように思うかもしれませんが、空気が薄くなり高山病になって苦しくて眠れない心配もあります。無理はしないように。
 
須走口から登った場合は、順調に登れれば本7合目(といっても3250m、吉田口なら8合目と言っています)の「見晴館」があります。高山病が心配な方は「大陽館」約3000m の方が良いかも。こちらの方がゆとりを持った登山が楽しめるでしょう。食事も良いですし(^_^)対応もスタッフ全員親切で中に入るとほっとする雰囲気があります。ただし犬(年寄りでおとなしいが)を飼っているのでそれが問題の人もいるかも。
 どっちにしろ下界の宿の常識は当てはまりませんから覚悟してください。混む時期(お盆、連休,夏休み中の週末)は事前に予約をしておきましょう。それ以外は予約なしで大体大丈夫です.その日の調子に合わせて山小屋を選びましょう。

 起床は朝4時15分ご来光の直前。多くの人は夜中の0時とか1時に小屋をたって山頂でのご来光を目指します。だから、ばたばたがやがやと、ゆっくり寝ていられないでしょうが、まぁ体だけ休めましょう。
このお勧めプラン
山頂でのご来光をあきらめる所がミソです。ジッサイの話、夏休みの真っ最中、山頂には2000人からの人が押し掛け、身動きできずご来光を待ちます。ですから、入りきれなかった人はその下で大渋滞のまま待っていなければなりません。山頂に行きたくてもいけないのです。この大渋滞に無理に突っ込まないで4時過ぎに起きて、少し明るくなった道をゆっくりと上ってそこでもし幸運にも天気が良かったら、その辺でご来光を拝みましょう。小屋の前でご来光を仰いでから登ってもいいですね。富士山の場合、山頂でも7合目でも景色に全く変わりはありません。明け方は少し(山頂では凄く)冷えますが、それでも太陽が昇ればもう大丈夫。すぐ暖かくなります。早めに朝食をとってそのまま山頂を目指します。
 山頂までは時間を気にせずゆっくりと登り、火口を覗き、もし体調がよければ、3776mの剣が峰まで行ってみましょう。ただし、風が強い場合は、危ないのであきらめましょう。

 山頂でひとやすみして富士山を満喫したら、下山です。こうして、午後の早い時間には5合目に降りてしまいます。

 何故、これがお勧めかというと、富士登山でもっとも苦しいのは、馬鹿の1つ覚えのように「ご来光を山頂で」ということにこだわって、どうしても深夜から夜明けに真っ暗な道を登るからです。寝不足のまま、夜明け前のもっとも寒いときに、標高3600m辺りの空気の薄いところで冷たい風に吹かれ体力も消耗する・・・悪いことが重なるからです。普通に考えてもガイド無しで夜間登山は一番危険です。
 夜間登山さえやめれば、懐中電灯も持たなくて良いし(ただし、小さなものは一応必需品ですが)、たくさんの防寒着もいりません。ご来光の時間に間に合わなければという気持ちの負担もありません。(この気持ちの余裕は,非常に重要です)

  富士登山といえば、「頂上」「御来光」は欠かせないという方が多いし、実際それは素晴らしいでしょうが、天候や体調などの条件があり、それが出来るのは多分確率50%位でしょう。その上で、私のお勧めプランはその両方を楽に叶えようと言うものです。この2つを同時にするか、ずらすかの差だけです。同時にしたら喜びは倍増するのかと言うと決してそんなことはありません。それは迷信,妄信です。それでもどうしても山頂でのご来光をと思う方は、2度目で挑戦してみてください。2度目なら少しは楽でしょうから。


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