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皆様より寄せらせた 栄光の 富士登山体験記
【その他の登山道】編(1999年厳選版)
須走り口登山道 1 2 3 


【須走り口から】

No.1 富士山登頂記念投稿でーす。 ryuさん 7/20 須走口

 職場の仲間を中心に総勢5人で6月中旬に富士山へ登る企画を立てた。メンバーは、50代男1人、40代男2人(含私)、20代女2人。出発地は岡山。2泊3日の旅程で予算は一人約6万円。
 初日7月16日(金)に新幹線利用して御殿場へ到着しましたが雨。やばい!しかし、バスで須走口5合目へ向かって登ると曇りへと変わり一安心。30分ほど高度慣れをして16時にスタート。1時間足らずで樹海?を抜け出すと、制覇すべき富士山への砂礫の道が姿を現す。日没まで頑張って山小屋へ泊まる予定。あれもこれもと準備しすぎた所為でリュックが重い。7合目の見晴らし館(3250m)へ全員が到着したのが20時。途中の山小屋の人たちが高山病で弱ったお年寄りを救助されていた。ご苦労様。高山病に、ちょっとビビル。夕食のカレーは全部食べれたけれど、ちょっとおかしい。どうも頭が重い。この山小屋の布団は新しくてきれいだったけど、やはり2人で1枚。22時前に寝床に入るが、寝れない。空気が薄いためか、息苦しい。
 2時ごろからゴソゴソとスタート準備するグループの物音がうるさい。と、雷雨の音。「雨ならもーどうでもえーわ」って気持ちになったけど、3時にはおさまったようなので気分がすぐれぬまま起床。雲はところどころあるようだが、地上の街明かりが垣間見れてとてもきれい。小屋のご主人にカメラシャッターをお願いして記念撮影し、30分後に出発。ふだんの行いが良いおかげで、8合目手前で綺麗なご来光を拝む事ができた。
 8合目の山小屋で重いリュックを預け、軽装備で山頂へのアタック開始。つづらおりの登り道。カーブをひとつひとつクリアーしていく足取りが重い。空気が薄いためか、歩いているだけなのにまるでプールで遠泳しているような呼吸法になってしまう。
 各人のペースで登ったので、全員が山頂に揃ったのは8時30分ごろ。山小屋で一服し、疲れきった1人を留守番にして、4人がお鉢巡りへ。郵便局でハガキを出し測候所横の3776メートルの碑を撫でて一周完了。眼下の雲の隙間から四方の下界を眺めながら歩いてみると、肉眼でパノラマ写真を見ているようで、まるで天上界にいるような気持ちになってしまう。あお向けになって空を見るとただただ青い。「気持ちえぇー。」
 11時30分に下山開始。河口湖口へ。小石と火山灰の下山道がとても長い。降りても降りて終わらない。お馬さんたちが見え初めて6合目。すれ違うお気楽気分の登山グループの笑い声が聞こえてくる。(何合目まで笑っていられることやら…)50メートルほどの登りが「これでもか」と身体を痛めつけて、やっと5合目に到着。全員が揃ったのは、3時30分。後は、バスとタクシーで2泊目のペンションへ行くだけとなり無事に富士登山が終わった。
 【教訓】
 ・ 装備は極力極力軽くすること。重いと肩から気分が悪くなり、私のように高山病のようになる。避けられぬ場合は、手荷物預かり400円を活用する。
 ・ メッシュのトレッキングシューズはダメ。火山灰が入りまくりで気持ち悪い。特に、下りで。また、丈はくるぶし以上のものにするか、スパッツを着用していないと砂礫が入ってしまう。
 ・ スケジュールは十分に余裕を持って組むこと。特に、グループの場合は各人のペースや体調の関係でかなり時間的なロスがでる。


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No.2 体験記 よしさん 8/3  須走口

 7月31日(土)夜、須走口から夜行登山を始めて、8月1日、山頂で御来光を迎えることができました。登山メンバ4人のうち、私たち夫婦を含め3人が富士登山初挑戦でした。全員26、7歳ですが、今考えると未経験者の上、徹夜の登山で日の出前までに山頂まで到達する計画はいくら何でも無謀でした。

 東京を車で夕方5時頃出発し、須走口新5合目に夜8時到着。
 早く出発したい気持ちを押さえて、駐車場で一時間ほど高地に身体を馴らし、夜9時に新5合目を出発。吉田口と合流する8合目までは登山道も混雑というほどではなく、落ち着いたペースで登れました。しかし、吉田口と合流する付近から混雑がはじまり、登山道で立ち止まることもしばし……。

ここで私たちは8合目付近の山小屋を出発したツアー団体と重なってしまい、つられて後ろを歩いているといつの間にか正規登山ルートからはずれて、頂上から下りる時の下山道を登っていました。この下山道を登ってしまうと頂上に着くまでは山小屋もなく、砂れきで足が滑りやすくてとても登りにくかったです。時刻も午前2時をまわると眠気も襲ってきて足が思うように動かず、風も強くなって寒さとの闘いにもなります。このあたりで私は体力を使い果たし、後は、何としても頂上で御来光を見たいという気力だけで登っていました。

 おそらくこの下山道を登ることは、正規ルートの異常な混雑時に、日の出前でしかも登山ガイドが先導するツアー団体のみが認められる例外のケースだと思いますので、皆さんは注意して下さい。

 登り始めて7時間後の4時15分、4人全員とも山頂に到達し、4時45分頃御来光を迎えました。日本で最も美しい光景でした。二度と来ないであろう?頂上から見下ろした風景をゆっくりと眺めながら身体を休ませ、6時半より下山開始。下山も初めは気分がよかったのですが、下りていくにつれて足にまめができたり、膝が痛み出したりと思うよ
うに歩けませんでした。私にとっては須走り口の長い砂走りがきつく、上りより下山の方が辛く感じました。休み休み下山したので5合目に戻ったのは10時半でした。

 下山後、富士登山2度目というメンバー唯一の経験者(それも10日前!)は、須走口は岩場が少ないので上り下りとも吉田口よりは足の負担が少ないのではないかと話していました。ちなみに須走口では杖はあった方が楽だと思いました。登山中は杖が邪魔になるような場所も特にありませんでしたし、下山では腰、足の負担をかなり和らげてくれます。妻は伸縮性の登山ステッキを持っていきましたが、これは大正解でした。山小屋で売っている金剛杖は、非力な女性では扱いにくいようです。

 登った感想としては、徹夜の登山をかなり甘く見ていました。徹夜で登る場合は十分な準備とトレーニングが必要です。また、夜行登山をする場合は6、7合目の早いうちから意識的に栄養、水分を補給しておかないと、後半は高山病やスタミナ切れになるおそれがあると思います。私の場合(26歳・男)は水1.5リットル・ゼリー飲料2個・おにぎり2個・カロリーメイト・チョコレートを持っていきましたが、余ったということはありませんでした。

No.3 子連れで行って来ました 西本さん 8/6  須走口

 はじめまして。
 7月28日、29日に行ってきました。子供が産まれて男の子だった時から一緒に富士山に登ると決めていました。念願がかなって、とても幸せです。
 準備はHPや、ガイドブックを見てしました。小学4年生の男の子と、母というコンビで、ちょっと危なっかしいのですが、本当に危ないと思ったのでお伝えします。
 私たちは須走口から登りました。駐車場には入れましたが、今は工事中の駐車場があって、平日の割にはおもっていたよりこんでいました。7合目の山小屋に天気を電話で確認。5合目の山小屋でも装備を確認。(こんな格好で大丈夫ですか?)横浜を午後2時に出発して、須走口に4時到着。途中でマクドナルドのハンバーガーを購入。出発前に下ごしらえにぱくつく。(もしかして夜遅くなって、夕食にあり付けないといけないからとリュックの中にも1こずついれて)雨が降っていたので早速雨具着用。靴紐を結び直して、荷物が雨に濡れても大丈夫なようにビニール袋にすべて小分けして包み込む。再度防水スプレーをリュックにかける。(車から降りてやる事・・・危険だからね)トイレに行って、五合目の山小屋で杖を買う。(子供用を買いました・・・これが女性には丁度いい。・・・比較的軽いし、長い道程を歩くのに)私は伸縮する登山用の杖を持っていきました。
 なんやかんやで、4時45分に登山開始。予約した7合目の山小屋には3時間半で着くと言う事なので、夏で、日も長い事だしとのんきに構えていました。はじめは樹海のようなうっそうとした森の中を歩いていきましたが、高山病が怖くて意識して休憩を取りながら歩きました。飴をなめながらエネルギー補給をして。美しい山の景色に堪能しながら休憩と称して写真を撮りました。長い登山で子供を飽きさせない様にといろいろとお菓子を持っていきました。(こんにゃくゼリー、飴、おせんべい、カロリーメイト、ザパスゼリー、チョコレート・・・)歩けども歩けども、先が見えず、森を抜けるまでに何人もの人が追いぬいていきました。ガス欠をしてエンスト寸前の車のように少し進んでは休み、少し進んでは休みで、歩きつづけました。私が歩くと子供が遅れ、子供を待って進み始めると、子供が「ママだけ休んでずるい、僕にも休ませて」と言われ、はっと。・・・子供はあの短い足で必死に歩いているんだ、私よりたくさんの歩数で歩いているんだと。
 子供に合わせているうちに。時間が気になる。・・・夕食は食べられるんだろうか。夜の闇が襲い、岩場に差し掛かる頃にはごうごうと風が鳴り始めました。・・・怖い・・・いまさら戻れない。山小屋にとにかくいかなくっちゃ。6合目の山小屋についたときには8時近くでした。
 後からきた人に、「7合目の山小屋は感じがいいから頑張って登って。ほら、あそこよ。」と指差された時には、確かに山小屋の明かりは見えたのですが、その人が過ぎていくと見えなくなってしまった。
 登り始めた。雨は止み、風だけが轟々と吹き、まるで嵐の中を歩いているようでした、悪夢のようでした。子供は疲労から「ここで眠りたい」と言い出しました。真っ直ぐただ登山路から外れない様に必死に歩きました。20キロ近くあるリュックが雨に濡れ重く感じました。懐中電灯の電池が切れ、途中で交換したり、リュックがゆれて電球が外れて濡れて点かなくなったり、ハプニング続きでした。本当に着くのか不安に感じるほど長く感じました。雲を抜け、眼下の視界が開けてくると、余りの景色のよさに、大感激です。空の星が手に取れるように近く感じられ、山中湖が足元にある水溜まりのようで、その上、月食まで見る事ができました。とたんに幸せな気分で二人は、苦しいながらも歌を歌いながら、何とか7合目の山小屋までたどり着きました。その時、9時半を過ぎていました。
 着くとすぐに「○○さんですか、お待ちしていました」と温かく迎えられ、とても幸せでした。天国と地獄、地獄と天国っていう感じでした。
 「すぐにお料理を用意しますね。」と言われ、暖かい豚汁とおひつに入った暖かいごはんと、ハンバーグ定食。うわさに名高いカレーではなかったのです。大感激。平日だった事もあって、布団は一人一枚。いびきがすごいとか、トイレがくさいとか、眩しくて眠れないとか、まったくなかったです。ただ、トタン屋根に小石がころころと落ちてくる音がして気になったけれど。(耳栓もアイマスクも持っていったけれど使わなかった。)トイレは汲み取り式で確かにくさいけれど、掃除が行き届いていて、うわさほどじゃなかった。
 朝は山小屋の前で真っ正面でご来光を仰ぎ、また寝て、8時出発。
 朝食は卵焼き、いわしの蒲焼き、のり、漬物、キャベツの千切り、ご飯、味噌汁でした。
 みんなはとうに登っていっちゃったのに、のそのそ起きてきて食べる私たちのために、朝食を暖めてくれるなんて・・・大感激でした。
 7合目からなら余裕かなと昨日の荒天に比べてすばらしい晴天だったから気が緩んで、またまたのんきに登っていたら、思いがけず時間がかかってしまった。天気がいいのであまり辛くはなかったので時間がたつのを忘れていたのかもしれませんが。
 頂上に着いたら、1時半になっていました。あちこち見て写真を撮ったりおみやげをかったり、昼ご飯を食べたりしていたら、3時になってしまい、ガスが出てきて、雨が降ってきました。急に寒くなってきて、防寒バージョンにきがえました。子供は、ダマール、ポロシャツ、ダウンベスト、トレーニングウェア、雨具。私は、Tシャツ、セーター、ブラウス、トレーニングウェア、雨具。二人ともカイロを腰にはって、ポケットにも懐炉を入れて。須走下山道からおり始めたのが、3時45分。ちょっと遅いかなと思ったのですが、下山は登りより楽かなと思っていたので、のんきに構えていたのですが、下山もなかなか大変。足が地面にめり込んで。リュックがなければ駆け下りる事もできるのですが、足に疲労がたまっていて、荷物は重いし、歩くようにしか下りれない。3時間でおりれるというのに、五合目の山小屋に着いたのは8時前でした。日没と共に樹海に入り、懐中電灯を頼りに、下山道からはなれない事だけ心において下りてきました。ただでも樹海の中は暗いのに、日没後に樹海の中に入るなんて、・・・と心細さになきたいような気持ちになりましたが、足元は滑るし、狭いし、木々が登山道を覆うように伸びていて、木の根が足に引っ掛かりそうになるし、ヘンゼルとグレーテルが迷い込んだ森のような景色でした。

 何もなく無事たどり着けたのがうそのようです。
 多くの教訓を得ました。

 (1)食料や水が多すぎて重かった。装備は適切に。
 (2)雨具、防寒具、懐中電灯は忘れずに。予備電池も。
 (私の後から下山したカップルは、なきながら下りてきました。また、家族で下りてきた人で懐中電灯を持っていなかった人で、杖に着ていた服を巻き付け、たいまつにして下りてきた人もいるそうです。)
 (3)時間には十分余裕を持って。

 もっともっといっぱい注意しなくてはいけないのですが、今回とても危険な登山だったので、特に伝えたいと思いました。
 多くの方からアドバイスをいただいて何とか無事に富士山に登る事ができて、本当にありがとうございました。疲れて、へとへとになったのですが、翌日には子供のほうは、「また来年、登ろうね。」
 価値のある登山でした。
 すばらしかったです。大変さを差し引いてもあまりある旅行だったと思いました。
 でも、スポーツクラブで鍛えたりそれなりにいろいろと準備はしていってのことですから、これから、登る方には準備はしっかりして富士山の素晴らしさを味わって欲しいと思います。
 とても見本になるような登山ではありませんが、油断すると大変になると言う事が富士山にはあります。

 ところで、ペンションセロは今から12年前に一度遊びに行った事があります。懐かしい気持ちでいっぱいです。またいつか伺えたらと思っています。それでは。


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