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皆様より寄せらせた 栄光の体験記。役にたつお話。・・・
 
2002年版(3)

    


■21 吉田口から登ってきました

8/1(木),8/2(金)念願の初富士登山に成功しました。HPで勉強させていただいたお陰で、ほぼプラン通りできました。

妻の50歳記念に計画した登山なので、万全を期して台風を2回やり過ごしての決行となりました。当日は申し分のない天気で、お昼に30分の渋滞の後、五合目駐車場に入りました。杖を購入の後、教えて頂いた様に一時間ほど車中で横になり 14:05 五合目を出発しました。14:50 六合目 16:30 富士一館前と順調に登りました。朝から飲みだした食べる酸素を、休憩のたびに2粒ほど食べ、深呼吸も随時行って高山病に備えました。

このあたりで一人で来ている、82歳の三重の O翁にお逢いしました。とても80代には見えない容姿と、登る姿は驚きでした。やっぱり世の中には凄い人がいるものです。O翁と数回前後しながら、17:30太子館前で「もう少し上の御来光館に泊まるから行かないか。」と誘われましたが、われらはもうほぼ限界「とてもお付き合いできない」と辞退しました。するとO翁は、50mほど前方を前かがみになりながら一人登る登山者を指差して、「あの方は94歳だそうです。」え〜〜〜!すごい、まいりました。

少し休んで、さらに登って 18:45元祖室に着いたときには、躊躇なく泊まれますか?って聞いていました。元祖室は当日すいていて、4つ枕がある仕切られた一区画を、私たち夫婦に使わせてくれました。とてもラッキー!夕食は、情報と寸分変わらないパックカレーライスでした。それでは足らないだろうと、朝コンビニで焼きそばパンを買っておいたので、部屋に帰って半分っこして食べました。寝不足と疲れで20:00前に寝ました。ところがそれから一時間ほどして、向かいの同世代の男性の所持品整理が始まり、スーパーの袋のカサカサ、シャカシャカする音が30分以上続き、とても眠れず起き上がると突然頭痛、吐き気に見舞われました。なっちゃったっと思いました。向かいの男性の動きを、頭痛をこらえながら板壁にもたれて見ていました。すると妻も煩さにたまらず起きてきました。頭痛薬を妻からもらい、準備してきた耳栓をしました。効果的面、妻は熟睡してしましたが私は頭痛と吐き気、生あくびが止まらず壁にもたれて耐えていました。2:00山頂ご来光予定の方は起きてくださいと声がかかりましたが、パスしました。4:15ご来光ですと声がかかったので、妻を起こして頭痛薬を飲み外へ出ました。寒いといっても思ったより寒くない。4:45日の出の予定でしたが、雲海の上に光が見えたのは5:06でした。

一時は高山病で登頂をあきらめ、妻だけで行ってもらおうと相談していましたが、ご来光を待つ間に少し頭痛もやわらいできたので、5:25山頂へ向け歩き始めました。6:15富士山ホテル この辺りからなかなか進めなくなり、10歩進んで2回深呼吸の名づけてライター作戦(ジッポー)にしました。これが成功して、抜きつぬかれつしていた回りの登山者を二つ折れくらい離すことができました。7:05御来光館についた頃には、2回の深呼吸は5回に変わりそれでも苦しくて作戦変更。今度は8歩進んで3回深呼吸、名づけてジャイアント馬場作戦(ハッポー)。しかしここからの急登の岩場は、すぐ作戦変更を迫ります。仕方なく5歩進んで3回深呼吸名づけて印象派作戦(ゴッホ)をとりました。そうこうしている内 8:45頂上に着きました。我慢できる程度の頭痛と吐き気以外は、お天気もすばらしく気分は最高でした。

山頂で食べようと持っていった、Mcのバーガーも私は一口も食べれませんでした。重くても持っていった、魔法瓶の湯でコーンスープとコーヒーを作って飲みました。とてもおいしくて幸せな気分になりました。私は食欲がなく、下山道でウィダーインを半分ほど飲んだだけでした。お土産に金明水を2個買い、お鉢巡りは次回の楽しみとしても、ここまで来た甲斐がないと火口だけは覗いて9:30下山開始しました。八合目上でシェパードを連れた方に会い、預けてきた愛犬を不憫に思い今度は一緒に来るぞっと強く思いました。12:20無事下山し、車でスバルラインを1/3ばかり下った頃土砂降りの雨となりました。登山道では金曜日とあって、大人数の登山パーティーが何組も登っていくのにすれ違い、雨に降られて大変だが、無事登って欲しいと思いました。

役に立ったものは
耳栓(競泳用のスポンジでできた物)と、下山道で使ったスパッツ。そして思ったことは、楽しかった、また来よう。

とうHPと、HPにご意見投稿していただいた方々に感謝しています、大変参考になりありがとうございました。
 

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■22 御殿場口登山日記(2002年8/1−2日 単独行)

行程:御殿場登山口1泊2日(往復)

初日8:40御殿場口着9:10出発2合5勺あたり10:30  4合目あたり13時6合目  16時7合5勺  17時7合9勺  18時(小屋着)。(休息・憩昼食休み込み)約9時間。

ガイドブックなどのコース時間の目安は7時間程度(健脚向きか)。

2日目。6時小屋発。所用時間2時間(山頂)

9:00下山開始7合5勺(砂走館)11時大砂走り大石茶屋着13時(休息休憩込み)約4時間。ガイドブックなどのコース時間の目安は3時間程度(健脚向きか)。

装備品で良かったもの。

・トレッキングシューズ。最近のは良くできてますね。(慣らしは必要)スニーカーで登る方も多数いますが、靴の破損や、自分の足もとの事など考えると、やはり「転ばぬ先の杖かと」。
・スパッツ 砂走りには必需品ですね。足下に砂が入らない事で、ストレスも一つ減ります。
・ゼリー飲料 昔はこのようなものはありませんでしたが、行動食の目先変わっていいです。
・凍らせたミネラル水。500mlのペットボトルを1本飲み水とは別に凍らせて持ちました。水分が切れたあと、後半ちょうど溶けてきた水を少しずつすすりながら登りました。
・「杖」金剛杖 個人的には、ストックを試してみようかと思ったのですが、砂走りのブレーキには一寸心もとなかったので、コレにしました。使用後はすりこぎの様に丸くなって、よくやった記念です。
・下着類は綿よりも、乾きのよい素材のものが着心地や汗対策には良いと思う。


「富士登山」日記。

前回は20才の時と20代にもう一度登り、3度目は45才記念(単独行)です。

8月1日(木)天気晴れ。WEBの富士山周辺の情報を出る前に拾った。相変わらず下界は曇り雨は大丈夫そうだが、山の天気は変わりやすい。周囲の視界は悪そうだな。

御殿場には定時着。「あいてて良かった」(今はそんな事誰も言わないが)7−11で昼飯を買う。御殿場登山口までのバス券を買い、待っていると程なくバスが来る。乗客は3人、一人は途中で降りた。登山客はバス組は2名。ウソのようにすいている。金剛杖を買い、山の情報をもらう。天気は大丈夫そうだ。高度1440mからの登頂。他の登山口はだいたい2000m(5合目)からだから、2合目といった所から頂上を目指す訳だ。

今日の宿の小屋の当たりをつける。7合目辺りは担当がいないと言う事で断られた。シーズン中なのに不思議だ。8合目近くの赤岩小屋に携帯で繋げる。予約ok。行けて御の字、行けないと一寸大変な事になる。1400mと言えば、もう「高原」という感じで、べたる湿度はない。ここは、Tシャツ1枚でOK。

デジカメを記録用に持ってきた。登山口を記録。9時過ぎ登山道を歩き始めた。ガスは相変わらすで視界は悪い。大石茶屋(ここは下山でお世話になる人が多いかもしれない)のおばちゃんに情報をもらう。小屋が決まっているのなら「ゆっくり行きなさい」と言うことだった。「そうします」。経験値からいくと、地元のお年寄りの言う事は聞いとくもんだ。

横の下山道を週末の「富士登山駅伝」の選手達が、軽いウォーム・アップを兼ねて走っていた。登るのだって大変なのに走っているんだこの方達は、凄すぎモンだ。本当にご苦労様な事だ。そんな選手達を横目に見ながらただただ登っていく。綺麗な花畑があるわけでも、樹木が見えるわけでも無い。視界はガスの中。唯一救われるのは、ピーカンだと陽に焼かれる状況だが、それはさけられる。時折薄日も射す感じもするが一時だけ。あと、頂上が見られないので、無理に頑張る必要が無くなってしまった。

8合の小屋は、所詮、ある程度近づかないとこの状況では解らないだろう。(それは当たっていた)。砂礫の登山道をただただジグザグに登っていくだけの単調な作業。修行道(みち)と言ってた人がいたが、本当にそう思う。緩い斜度らしいが、長く続くとボディー・ブローの様に効いてくる。ザック・ザックとペースを決めてリズムを刻みながら歩いていく。他の音は時折演習場の砲弾の音など聞こえる以外は、鳥のさえずりもすこし聞こえたが、そのうち聞こえなくなってしまった。本当に単調な作業の繰り返しで、2合5勺から3合目?辺りまでは、双子山とか見え、まだ、時間と位置感覚があったが、それ以降はその感覚も緩くなってしまった。

ペースがつかめなくなってしまったというか、自分の進度は遅いのは判っていても、後どれくらいすれば目的地につけるかのか、目印の少ない登山道なので見当が付きにくくなってしまった。ちょっと、これは危険。避難ルートの無い、お助け小屋も殆どあてに出来ない所にいま自分はいるのだなぁ。と思いながら登っている。

青年が一人下山道を外れて登山道の私めがけて来る。何事かと思ったが、「どうすれば御殿場口に下山できるか」と言う話しだった。「あの小屋を目標に砂走りをロープと中継柱を頼りに下って行けば下山出来る」。あとから、登ってきたベテランさんに教えてもらっていた。

富士山は誰でも登れると言う印象を持たれやすいが、決して優しい山ではないと思う。最低限の下準備は必要で、体力体調もなるべくいい状態で行くのがいいが、それでも自然との折り合いもあるので、全部がいい状態で登山出来ればいいが、そう行かないところも多い。「甘く見ては行けない」所なのだろうと思う。自分も肝に銘じよう。

4合目辺りのブルドーザー道を横断してから砂礫が深くなる。足の進みの遅くなるのが判る。息を上げないようにするには、歩みを遅くするしかない。途中で凄い勢いで登ってきた外人青年がいた。簡単に追い抜いていった。2時に登山道で遅い昼食をとった。水分の他には途中でゼリー飲料をすすっていたが固形物は久々。オンタデが群生している。一寸長めに休息して歩き始める。6合目は4時だった。

これは砂礫そうで時間を取られた。ブルドーザー道を、オフロードのオートバイが凄いスピ−ドでカッ飛んで下っていった。関係者だろうか。普通の人が通行許可されてはいないようなので、むやみに通れる物でもないだろうが、排気量も大きなオフ車なのだろうな。下る事が出来ても登ってこれない可能性がある。

こちらはペースを上げるわけにはいかない。2800m位ある。1400m上がるのに7時間かかっている。小屋までたどり着けるだろうか。昼間の登山という事で、懐中電灯は持たないで来た。しかし視界の悪い時、また今みたいに日没後までかかる可能性のある時など、必要かと思った。

7合目を通過。7合5勺の「砂走館」に着いたのは5時。この高さになると、雲も切れて、夕日感覚になる。小屋の青年と話して宿はこの上というと、経営者が同じだから、客の奪い合いはしないという「ご来光はそこで見るから」というと、あっさりセールスは終わった。昨日まで駅伝関係者が泊まっていたようだ。それも終わり、ちょっとのんびりと言うところか。水を買って、焼き印を杖に押してもらう。このルートは夜間登頂(下から上がる人は殆ど無い為に)その点では楽そうだが、山に一夏入るのは、バイトでも好きな人に限られるだろう。「日没までに着けばいい」と言う何ともアバウトな目算に変わった。19時位まではなんとか行けるだろう。時間の感覚が不鮮明。夕日が一寸きつく、空は青い。

この時間では、影富士も見られないかな。とにかく、今は小屋を目指す。目指す小屋は見えているが歩けど歩けど遠い。砂礫がいつしか瓦礫に。18時過ぎ7合9勺。赤岩小屋着。行程9時間という登山だった。そして、まだ、明日は山頂があるのだ。

今日は曇りだったのでTシャツ1枚でOKだったが、普通はウインド・ブレーカーか長袖シャツがいいのかもしれない。お茶をいただき、焼き印(宿泊者にはサービス)をもらい、受付をして上がる。19時夕焼けが綺麗。夕食はカレー。おいしかった。そして、ここはおかわり自由なのだ。

この高度で自炊しなくて良い事考えると本当にラッキー。

ここは、富士宮口から、トラバース(山腹・岸壁などの横断)してくる登山客が居る為に、少し人数は多めになるがそれでも、河口湖富士吉田の今メインルートになっているところとは違い、のんびりしている様だ。メインルートではこうはいかない。ここでも合宿の人は下山し、宿泊客も山頂ご来光組と、翌日登山組と分けて宿泊出来る様に配慮されていて、一人一組布団があった。

よかった。メインルートの山小屋のシーズンは詰め込まれるという話だから、ここは、ルートを選んだ人の穴場の小屋かもしれない。無くならない事を祈る。

夜になって、空には星、山中湖は湖上祭と言う事で、打ち上げ花火が、よく見えた。昼間のニュージーランドからきた青年が「綺麗ですね」と流暢な日本語で話していた。夜間は天の川が見えたという。8時には布団に入り、寝入ってしまった。夜間は時折目が覚める。2−3度目覚めて、4時過ぎ、少しづつ明るくなる。

8月2日(金)晴れ(3300m)

4時50分過ぎ雲の下から太陽が登ってくる。「ご来光」。何とも言えない気分。日本人に生まれて良かった。

それをみて、5時過ぎに朝食。ご飯・ハムエッグ・漬け物・おひたし・梅干し・ゴボウとニンジンの汁物・お茶。おいしくいただくが、こんなに早い時間の朝食も久しぶり。荷物をまとめて6時出発。山頂まで2時間と見た。砂礫から赤土の瓦礫に変わった斜面を登っていく。この時間は登山道と下山道一緒の道で、ご来光をみた登山者が下山してくるのと道を分け合う。

久々、山行きの人たちと声を掛け合う。7合目くらいから感じた事だけれど、大分、歩きやすくはなった。確かに岩場もあるけど、足を取られる事が少なくなった。すれ違いをやり、早い人をやり過ごし、団体を遠巻きに、上り詰めて8時山頂。ここまでゆっくり登ってきたせいか、高山病の症状も殆ど感じることがない。幸せな事だ。

「登頂成功」。

ここにはいろんな人がいる。学ラン(黒詰め襟)で登っている人もいたり、茶髪金髪の人もいる。老若男女悲喜こもごもだ。3度目の頂上だけれど、いつ来ても「よくやったな」と思う。

以前との違いは、携帯が使える事なんか違うのでは、山頂で子供が留守を守る母親に「今山頂についた。パパと代わる」なんて電話している。何か、非日常が薄れるが、まぁいいとしよう。剣が峰もお鉢周りも今回は止めよう。1時間ほど頂上で休憩して。9時には下山を開始する。今きた道を下る。やはり下りは早い。苦労して上がってきた所をひょいほい下る。

登ってきた人に「後どれくらいですか」と聞かれても、言うとがっかりされる事があるので、聞かれるのも困るが、なかなか登っても近づかないに頂上に業を煮やす感じは下ってみるとよく分かる。下りは登りの1/2位。早い。7合5勺の砂走館には11時に到着。ここでスパッツをつける。7合下の砂走りから下山する為だ。フジテレビが中継場の確保をしている。団体客が降りてきたので、出発することにした。「砂走りは1歩3メートル」と言うコピーがあるものの、皆そのようなわけにはいかないが、個人的には好き。御殿場の登山道上がった者には、これくらいの楽しみがないと。杖をブレーキ代わりにどんどん下っていく。人もいないし、ガスって景色も時々伺える程度なので、心おきなく下ってしまう。時折立ち止まると音の無い世界。ガスで視界は悪くなり音も無いというと、「黄泉」の世界?。一寸不思議な世界にはまりこむ。

そこを抜けきると2キロばかりのブルドーザーが通る道を下って行く。その後には、大石茶屋のおばちゃんが待っている。

茶屋(13時着)で土を払い、水を飲んだら一寸落ち着いた。週末の山小屋は混雑するそうだ。

無事に下山できた事に感謝。

14時過ぎ御殿場市内は土砂降りの雨、須走には雹が降っているという。

「梅雨明け10日は天候が安定しやすい」けれども、いつもそうとは限らない・・・。

このHPをはじめ、色々な富士山関係のWebには金科玉条のフレーズがちりばめられており、大変参考になりました。自分のペースで無理無駄はしないで行く事が今回の登頂に繋がったと思います。

今回は、かなりラッキーな山行きではなかったかと思います。出会った方、サポートして頂いた方すべてに感謝。有り難うございました 

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■23 千里の道も一歩から。(須走口から日帰り登山。)

 思えば3年前、富士山に登ろうと言われ、いいねえと気軽に答えていた私。その時は、吉田口から登ったのだけど、、夜間登山で、また、途中降り出した雨風に体力と気力を奪われた。一晩山小屋に泊って回復を待つことにしたものの、翌日も小雨が降る天気。見上げる9合目は雲にぼやけている。この悪天候の中、頂上まで行き着く自信が無く、あえなくリタイア。また富士に挑戦しようといいながら、ふた夏がすぎた今年、8月5日。前回よりは知識、経験ともに多少なりと増え、それに毎日ウォーキングやジョギングをやって少しは鍛えてる。
 今回のチャレンジは人が少なく登りやすい、という某雑誌の言葉を信じて、須走口である。前日御殿場の駅前ホテルに泊り、当日朝午前五時、須走口に到着。うむ、確かに人は少ない。おまけに前回と違って今回の天気のよいこと。気をよくして、早速五合目で記念撮影。朝食をとり、体を慣らしたところで午前五時半、さあいよいよ出発だー。
 須走口は、他より標高が数百メーター低いといわれる。だけど、それは気にならないって、某雑誌に書いてあったもん。私たちはその言葉を信じた。
 が。
 
うそよ〜やっぱりぜんぜん遠いじゃないの!吉田口のときは八合目なんて結構すぐについたって感じがあったのに、ここは六合目までがすごく遠いわ〜。花々を見たり、木々を楽しむことはできるけど、正味距離があるんだもん。途中、フツーのスニーカーにジーンズの若者に何人も出あった。あんな軽装で・・・と思うけど、それをカバーするかのごとく、彼らには若さとパワーがあった。装備ばっちりの私たちは、軽装のにーちゃん達にどんどん抜かれていったのである。ま、いいさ。
 しかし、七、八と進むにつれ、私のペースもどんどんダウンしてゆく。砂礫に足をとられ、一歩登ったと思うと一歩近くずり落ちてしまう、これじゃちっともすすまへんやんけーと内心怒りを感じながらも這い登ってゆく。上を見るととてつもなくつらく感じるので、前を行く連れの足元だけを見てひたすらひたすら登るのみ。でもどんどんのろまになってゆく私に、、「どこがきつい?」と連れが聞くが、ハテ、どこだろう?どこがきついのかわからないのだ。そしてやっと、八号五勺の山小屋に着く。六合目では五百五十円もした飲み物が、ここでは四百円であった。(売上がよいのだろうか?だけど、なんだか少し慰めになる気がする。)山小屋のにーちゃんに、後どれくらいかかる?とたずねると、そうねーあと一時間くらい。だけど相当お疲れだから、一時間半かな、と答えてくださった。にーちゃんの予想も見事はずれ、それから二時間も坂道と闘うことになってしまった。でも前に進むしかない. 登るしか道は無い。今思うと、あの境地は無に近いものがあるのではなかろうか。そして、いよいよ迎えた頂上。狛犬(?)に迎えられ、階段を上りつめたとき思わず涙がでた。(やった〜)大きな声にもならない声でやったやったと数度繰り返した。喜びと安堵の涙なんて、何年ぶりだろう。

そして下山して下から富士を見上げる。ああそこにいたんだなあという感慨。ばんざーい!富士山はやはり日本一の山。

 今回の教訓。
衣服は重要です。やはり綿100パーセントのものより、速乾性のあるものが断然オススメ。体への負担が少なくてすみます。ストックはできれば二本ほしかった。あと、山頂の郵便局は二時までだから注意してください。あたりまえかもしれませんが、帽子は飛ばないように紐かなんかつけといたほうがよかった。山頂で吹っ飛んでしまったけど、運良く回りの人が拾ってくれた。食べ物は、案外ご飯ものってのどを通らない。甘いパンのほうが食欲がわいて食べれた。

  良く須走口から日帰りなんてしますね。個人的にはオススメできないなぁ。

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■24 後悔しなかった富士登山(須走口 見晴館泊)

 初めまして。7月28日〜31日まで主人、息子と3人で中1日を山小屋泊、前後2日間をセロでお世話になり無事 初登頂に成功しました、50代の専業主婦です。今はすっかり日常に戻り、過酷な暑さと毎日戦っております。しかし、あの心地よい涼しさはなんだったんでしょう。

 a.. <富士登山に至るまでの経緯>
 さかのぼる事、1年前。主人と3人の息子がなにを思ったか初挑戦。私は一人、ルンルンで一 人留守番でした。「やったぁ、一人だぁ」とガッツポーズ。家族を残して一人出掛けるよ り皆が私を一人残して出掛けてくれるのがなによりうれしくて。(主婦の家事労働は大変なんだぞ)とばかり、きままに過ごしたのです。ところが、主人と息子一人がどうやら高山病に罹ってしまったようなのです。なんとか気力だけで指先が頂上に届いた状態だったとか。撮った写真を見て思わず納得。もう惨々な思い出しか残らなかった初体験に、又なにを思ったか、リベンジだ、と今度は私に白羽の矢が向けられ、とうとう決行となったのです。うそォ

 a.. <ドキドキ>
 まだ経験のない私はなにしろ周りの話だけで高山病が恐いと思い込みの暗示にかかり、ええぃ、こうなったら高山病の洗礼に受けて立とうと覚悟したのです。(が、私なりに図書館から富士登山のビデオを借りてきて、心積りをつくり ある程度、ボンヤリと実感が湧いてはいたのですが。それと普段から主人と休日に出来るだけ山登り、ウォーキングに心がけました。) 予定していた頃、台風9号、11号が南の方で暴れていて動向が気になっていたのですが、 高気圧には勝てず、上陸に至らなかったので、とうとう出発!です。(-_-;)

《1日目》岡山からの出発:朝7時過ぎ 快適なドライブ。  御殿場ICを出てセロ到着が夕方。やれやれ旅程の四分の1が無事、終了。しかし、麓からは1度もその勇姿が見えませんでした。

《2日目》美味しい朝食とオーナーと奥様のラストアドバイスに勇気100倍。???家から用意していった水タンク(10L、これは下山後手足、顔を洗う用)をトランクに乗せ、途中、コンビニで昼食用、夜食用のおにぎり、500MLの水、スポーツ飲料(合せて一人当たり2本)などを買い込み、須走り口へ。須走り口(後悔しない富士登山推奨)へ至るまで、すごい濃霧でこんなんじゃ、とても登山なんか。 が、しかーし 同士がいます、います。もう後戻り出来ない状態でした。頬をパンパンと叩き、自分に言い聞かせ気合いを入れ登山開始です(AM11時過ぎ)。この須走り口は5合目とは言え、標高1900m台と低く、オーナーの話によると実際には3合目ほどらしいので、かえって高山病の予防になったのかも知れません。又、このコースは自然を満喫でき、登山者も意外に少なく、奥様の【マイペースで登れば絶対大丈夫】のアドバイスを思い出し、実行しました。それとビデオで学んだ登山の基礎‘腹式呼吸’が多いに力を発揮してくれたと思います。前の人に遅れをとるまいと、マイペースを崩すと、息があがり、それでなくても酸素量が少ないんですから、当然息苦しくなるわけです。

マイペースと腹式呼吸。 これが出来れば絶対に大丈夫です。←すごく自信あり

周りの景色、高山植物など堪能しながらの登山に気分も晴れやかでした。息子が私の後を付いてきてくれ、私に合せてくれました。(時々、お尻を押してもらいながら)こんな調子で、気がつけば、夕方には山小屋、見晴館へ到着です。(6時間)看板をみると標高3250とあり、ごくごく普段と変わらない自分にびっくりでした。あの濃霧もいつしか登るにつれ消えていて、山小屋から見下ろす下界は素晴らしく、山中湖のシルエットが幻想的でくっきり。勾玉様の形で、溜め息が出ました。食事(カレー)も美味しく、主人と息子はビールで乾杯。私は普段250MLがせいぜいなので、心の中で、乾杯。(高所でのアルコールはまわりやすいのでご注意を)余裕の2日目も無事。普段より素直に息ができるゾ。買ってきたおにぎりは出番なし。昼食に食べた程度。

《3日目》主人、息子に「なかなか寝られなかったなぁ」と言うと、「いびきが聞こえたぞ」(~_~;)どうもそうらしい。失礼しました。

ご来光も晴天と思しき夜明けの中、はっきり瞬間をとらえました。思わず、合掌。am.5時半、ご飯 お味噌汁 漬物の朝食も美味しくいただき、さぁ、頂上に向け、出発!前日と変わらずマイペースと腹式呼吸を守り、途中8合目だったか、リュック一つ当たり、300円で預かってくれる富士山ホテルという山小屋に荷物を預け(これはオーナーのアドバイスでした)主人のウエストポーチ一つでいよいよ頂上の鳥居をくぐり万〜歳。(見晴館から3時間ほど)が、まだその先があったのです。火口を1周するいわゆるお鉢巡りをしなくては、三角点(3776m)に到達しないのですが、それまで無理をせず体力を温存していた私は余裕で、三角点にタッチ。主人はこのお鉢巡りで少々、体力不足だったかナ。(1時間半)でも3人揃って高山病にもならず、こんどこそ本当の万〜歳 万〜歳。


昼食は値段も結構高いが、結構おいしいラーメンでした。少々、休憩した後、水(500ML1本)を調達し 下山開始。もちろん預けたリュックを背負い、でも早い早い。(ここでスパッツと防塵マスクを持って行き正解でした。また息子はコンタクトを入れていたので途中砂塵が目に入りとても痛がっていました。この場合、めがねのほうが断然いい。)ものすごい砂塵の中を、しかし達成感も手伝い、踊るように砂走りをリズミカルに降りられました。子供連れの方にはお勧めです。もちろん、石がゴロゴロしている所もありますから、最後まで気を抜かず、でももう腹式呼吸は必要なく、暑くなりだして降りてきた山道を見上げると、もう頂上は雲の中。どこか異次元の世界から帰ってきたような不思議な感覚でした。(3時間余り)駐車場まで戻り、水タンクの出番。埃を洗い落として気分さっぱりでその日は又、セロでお世話になりました。

《4日目》ぐっすり休ませていただき、すっかり疲れもとれ9時過ぎ、我が家へ向け、出発。運転も交代しながらでしたので、スムーズでした。

おかげさまで全く後悔なし、の登山旅行でした。一つだけ、日焼けにはご注意を(キャップをかぶっていたので、顔は大丈夫だったのですが、しまった、耳が出てたぁ........., 最近やっと耳たぶの皮がむけました。)

オーナー、奥様に感謝申し上げます。有難うございました。またこの書き込みがこれから富士山に挑戦される方々に少しでもお役に立てば幸いです。

この登山で得た知識

おそれず、ひるまず、あなどらず。マイペースと腹式呼吸。

読んでくださってありがとうございました。

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■25 須走口(02年8月4日)

自己紹介
・名前=カリヤ(番号19)
・居住地=愛知県
・年齢=30歳
・性別=男
・富士山登山歴=全くなし
・登山歴=全くなし
・日頃の運動=全くなし
・登山前身長=177cm
・登山後身長=177cm
・登山前体重=77kg
・登山後体重=73kg
・登山前体脂肪=24
・登山後体脂肪=19

富士山に登りたい理由
・日本人だから一度は登りたい、と永年思っていた。
・登頂に挑戦し成功することで人生を変えたいと思った。
・富士山頂神社にお参りしたいと思った。

体力準備
・登山1週間前に登山靴を購入
・その夜より、靴ならしのため登山靴を履いて自宅周りを30分間歩く

装備準備

・ザック(30リットル、@3000円)
・サックカバー(ビニールごみ袋にて代用)
・登山靴(ハイカット、ルーマニア製、@18000円)
・登山靴下(ウール、2枚重ね、@1200円)
・懐中電灯(電池=単2サイズx2本、手持ち型、@600円)
・長袖(厚手)
・長ズボン
・登山用下着(速乾性のもの)
・帽子(メッシュ野球帽、寒くなったらタオルを頭に巻きましょう)
・カッパ(上下セパレート、@9000円)
・セーター(カシミア)
・防寒着(フリース上着)
・軍手(内側にイボがついているもの)
・つえ(金剛杖2本、山小屋で購入、@1200円)
・補助食品(黒糖あめ、魚肉ソーセージ、クッキーなど)
・水(ジュース、お茶、水など、500CCペットボトルx5本)
・タオル
・トイレットペーパー
・お金

当日準備
・高山病にならないために登山開始までの24時間内に3リットル以上の水分を補給せよ、という経験者の助言を実行。

行程

8/3 16:00 須走登山口着
16:30 夕食(カレーライス)
17:00 睡眠
23:30 起床、夜食(おにぎり3つ)
8/4  0:00 須走登山口出発(登山開始)
7:30 山頂着(登山終了)、御鉢巡り出発(逆時計廻り)
9:30 御鉢巡り終了、休憩
10:00 山頂出発(下山開始)
14:00 須走登山口着(下山終了)

登山の成功を装備面から解説します。

・登山靴と登山靴下
  登山道は溶岩のガレキです。下山道は砂地です。

 登山靴購入は注意しましょう。底が固いもの、足首まであるハイカットのもの、
 親指や小指が靴に当たらないこと、などがポイントのようです。

登山靴下も大切です。ウールのものが良いようです。

登山途中、スニーカーが破裂してリタイアしてしまった高校生に出会いました。
 登山靴と登山靴下にはお金をかけましょう。

・夜間登山と懐中電灯
本5合(1:00着)での休憩中に電池節約のため懐中電灯をきりました。
出発となり懐中電灯のスイッチを入れたのですが故障で点灯しません。
大失敗。予備電池に変えても点灯しません。
あたりは真っ暗。足場が見えずに1歩も登れません。リタイアを考えました。

しかし、ここから7合目までの約2時間(うす明るくなるまで)、他の方々の光をお借りして登りました。みなさんありがとう。感謝、感謝。

懐中電灯のトラブルに遭遇してしまった人は私のほかにも結構いらしたようです。

夜間登山の懐中電灯は必需品です。予備電池だけでなく予備懐中電灯も。
できれば頭につけるタイプのものが良いと思います。

・汗と登山用下着

夜間登頂でしたが登り始めの2時間(須走登山口〜6合目)は汗びっしょり。
日頃全く運動していない私にとってこの2時間は地獄でした。完全に息が上がっていました。リタイアを考えました。休憩するとすぐに汗が乾く登山用下着は有効でした。

・防寒着

6合目くらいからあまり汗をかかなくなりました。脂肪が燃え始めたのでしょうか。
少しずつ気温が下がりとても寒くなったので、7合目でカシミアセーターとフリースを着ました。薄くて軽くて温かい、カシミアセーターとフリースは必需品です。

・2本の金剛杖
 日頃運動不足の登山者には必需品です。ひざなどに持病がある人には2本必要です。
杖があれば足だけでなく体全体で登ることができます。私は2本使いました。下山時もひざの負担を軽くしてくれました。

・7合目から(うす明るくなってから)
 うす明るくなってからは結構快適に登れました。それまでとにかく暗くて怖かったですから。
私は細かい休憩を多く取り、山小屋前ではあまり休憩しませんでした。例えば、500歩歩いて60秒休憩とか、ジグザグ道の曲がり角で休憩とか。

休憩はリュックを背負って立ったまま。一度座ったら二度と立ち上がれそうもないような気がしたので。

山頂が近づくにつれ、歩数は減り休憩時間は長くなりました。でも、急いで登る必要など無いのです。

・山頂付近の登山客渋滞
 渋滞、快適です。休憩できますから。前の人を抜かそうとして無理に足場が悪いところを行く必要など無いのです。

 富士登山が辛いのは6〜7合目まで。8合目まで行ければほぼ確実に山頂まで行るでしょう。せっかくここまで来たのだから下山するのはもったいない、と欲が出てきます。

・高山病の予防と水分補給
 山頂は30%ほど空気が薄いそうです。
 登山開始前24時間内に4リットルくらい水分を取りました。
 登山中に1.5リットル(ペットボトル3本)、下山中に1.0リットルペットボトル2本)飲みました。
水分補給は充分に行なってください。

山小屋のトイレは混んでいます。20分くらい並ぶ可能性もあります。
 ちなみに、私はトイレは3回のみでした。須走口出発時、頂上、須走口到着時。

・高山病の予防と酸素補給
 鼻の頭に貼って鼻の穴を広げる特殊シール、行程中ずっと貼っていました。
 楽に呼吸ができました。

・高山病の予防と食料
須走登山口でもらったおにぎりは出発前に食べました。食べたくなかったけど食べました。栄養補給です。

黒糖あめは大好評でした。地上では甘ったるいだけのあの味が高地では笑ってしまうくらいおいしかった。
登山中に不足した糖分も補給できました。

また、魚肉ソーセージ、クッキー(カントリーマアム)など、おいしかったです。黒糖あめをなめながら歩くと良いと思います。あめやお菓子はぜひ持っていくべきです。


・私は幸いにも今回は高山病にはなりませんでした。

・山頂にて

下記3つの目的は達成しました。
*日本人だから一度は登りたい、と永年思っていた。
*登頂に挑戦し成功することで人生を変えたいと思った。
*富士山頂神社にお参りしたいと思った。

おっと、2番目の人生を変える、これはこれからですね。
山頂では御鉢巡りもできました。混んでいたので2時間かかりました。この御鉢巡りが下山時の地獄につながるんですけど。

山頂の山小屋で飲んだ600円の甘酒、温かくておいしかった。600円は決して高くはありません。

有料トイレに行きました。行列はありませんでした。入り口に人が立っていて1回100円でした。
男性用が3つ、個室が3つありました。
終わった後に手を洗うこともできました。

・下山とエアサロンパス

振り返れば馬鹿な話ですが、私は頂上にたどり着くことにすべてをかけていました。
運良くたどりつけたので御鉢巡りにも行ってしまいました。

しかし、重大なことに気がついていませんでした。

そうです。下山のことを全く忘れていました。下山のための体力が残っていませんでした。
ガイドブックには、須走口はあっというまに下山できる、とありますが私にとってはウソでした。
ひざが痛くて苦しくて、頂上から砂払5合目まで3時間、砂払5合目から須走登山口まで1時間かかりました。
計4時間。通常の2倍近くかかりました。
下山の無い登山があったら、と思います。

休憩時にエアサロンパスをひざに吹き付けました。エアサロンパス、効きました。

・カッパ
幸いにも今回は使いませんでしたが、上下セパレートのものが良いようです。
ポンチョ型のモノでは役に立ちそうにありません。なぜなら富士山の雨は下から吹き上げてくるからです。
カッパにもお金をかけましょう。

今回、もし暗いうちに雨が降っていたら、ほぼ100%の確立で私はリタイアしていたと思われます。
運が良かった。


・まとめ

日頃運動なんてしていなくても、登山中にいろいろなトラブルがあったとしても、天気に恵まれて良い装備をしていれば、頂上にたどり着くことは可能です。

ただし、高山病には注意しましょう。高山病になってしまったら、下山するしかありません。

日頃運動なんてしていなくても、他の登山客の方々が励ましてくれます。
登山中にいろいろなトラブルがあったとしても、他の登山客の方々が支援してくれます。
天気に恵まれなかったら、人間は自然には勝てないので諦めましょう。

また、挑戦すればよいのです。

・今後

下山が終わった瞬間、もう二度と登らない、と誓いました。やっぱりつらかったです。
しかし、文章にまとめている今、歩いて下山しなくても良いならば、もう一度くらい登ってみてもいいかな、と思っています。

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■26 登山体験記 (河口湖口 山小屋白雲荘仮眠)

【はじめに】7月27、28日 土日を利用して富士山に登ってきました。天気は良く、風も行程中、強く感じる事はほとんどありませんでした。メンバー 男4人(私、Aさん、Eさん、Hさん)コース 河口湖口五合目から登り、途中山小屋で仮眠、登頂後、再び河口湖口五合目へ。今回、初挑戦ながら、登頂、頂上で御来光、お鉢巡りの3点セットを達成出来ました。

今振り返ると成功のポイントは3つあると思いましたので、最初に記しておきます。
1 頂上まで登って下りてくる体力
2 天候に恵まれる
3 高山病にならない

 そもそも今回の富士登山は昨年末、忘年会の席で今年の7月27、28日は富士山に登ろうという大目標を立てた事に始まります。我々メンバーは職場を中心とした山歩きが好きな者の集まりです。但し、メンバーは特に登山に関して山岳会や大学登山部の経験をした者は居ません。普段、関東圏の1000m前後の展望の良い山に1ヶ月に1回ぐらいの割合で天気の良い日に登るという事をやっています。従って、登山に対して特別なトレーニングをしているとは言えませんが、登山の経験は全くの初心者よりは積んでいると言えるでしょう。メンバーの平均年令は40才を少し切るぐらいです。4人の中に今迄、富士山登山経験が有る者はいませんでした。
 富士登山を行うに当り、我々メンバーとって未知の部分は標高と高山病でした。富士山頂の気温とそれに対する服装はどうすれば良いのか。このホームページの皆様の登山体験記は非常に参考になりました。感謝しています。高山病については、皆様の登山体験記を読むと、どうも個人差が有るようで、絶対高山病にならない方法というのは無い。しかし、少なくとも高度順応を出来るだけした方が良いようだという結論に達しました。コースは河口湖口五合目から登って再び河口湖口五合目に下りてくる最もポピュラーなコースを選びました。他の登山口も魅力的でしたが、東京在住の者にとって一番アプローチし易いので、このコースを選びました。御来光をどうするかで迷いました。頂上で見る事にしましたが、どこで見るかによって計画がかなり変わってくると思います。一週間前にメンバーに登山計画書を配付。二つの台風の行方が気になっていましたが、西へ逸れたので安心しました。山小屋は3200メートル地点の「白雲荘」に水曜日に予約を入れました。最初、「太子館」に泊まる予定で電話したところ、「満室です」と断られ、次に電話した「東洋館」もダメ。「富士一館に連絡してみたらどうですか」というアドバイスを受けるも、電話が通じずダメ。焦りながら「白雲荘」に電話すると「非常に混み合いますが。。。」即座に私は「覚悟は出来てます。お願いします」と答え、なんとか予約できました。1週間前ぐらいに予約を入れた方が良いかもしれません。

【装備】天候、高山病によって登山を断念するのはしょうがない事ですが、装備の準備不足で途中登山断念というのはつまらない事なので、ガイドブック、インターネット登山体験記、職場に必ず居る富士登山経験者の話を基に、今迄の登山経験を併せて必要な物を選びました。以下の装備の多くは普段の山歩きの為に順次、石井スポーツ登山本店で専門家の意見を聞きながら揃えていったものです。殆ど私自身が富士登山前から登山で実際使っているものなので、個人的にも信頼の置ける装備でした。全てを一気に揃えると10万円を超える出費になると思います。

直接身に付けたもの
ミレーの35リットル登山ザック(2気室、ヒップサスペンション、チェストストラップ付き)
イタリア製SIRIOの登山靴
Chaskeeのバンダナ式帽子(バンダナに野球帽のひさしが付いている様なもの。飛ばされる心配なし)
サングラス(紫外線カット付き)
TARASBOULBAの半袖襟付吸汗即乾登山シャツ
PAINEの登山用ズボン(半ズボンにもなるタイプ)
登山用パンツ(下着)
ウール登山用靴下
TARASBOULBAの登山用ベスト(ポケットが全部で12箇所。地図や財布の出し入れが便利)
SILVAのコンパス(タイプ3)
登山地図(今回は2万5千分の1地形図は持って行きませんでした)
ガイドブックのコピー
ボールペン
登山記録メモ帳
温度計(バイメタル方式。今回初めて使いましたが、山頂近くで表示温度がおかしくなりました)
財布小銭入れ
腕時計

ザックの中身(ザック外側に取り付けたものを含む)
初日の昼食(おにぎり2個)
水2リットル(500ミリリットルペットボトル2本、platypusの1リットル水筒。ぺちゃんこになるので便利)
カロリーメイトスティックタイプ1箱
一口ドーナッツ沢山
チョコレートゼリー飲料
梅干し2個
ぺツルのヘッドランプZIPKA(超小型最軽量。電池を含む重量64グラム。LEDランプで球切れの心配無し。単4電池3本で12時間10メートル先、24時間5メートル先、最長150時間手元までを照らす)
ミレーのペットボトルホルダー(ザックに取り付ける。いちいちザックを開ける必要がない)
フリース(登山用ではなく市販のもの)
ノースフェイスのゴアッテックスレインウェア上下
丸首長袖吸汗即乾登山シャツ(結局使わず)
スキー用タイツ(結局使わず)
タオルザックカバー(結局使わず)
スパッツ
レキのマウンテンストック2本 ストックカバー
完全防水ゴアッテックス手袋
スキー用毛糸の帽子
マスク
作業用防塵ゴーグル(ホームセンターで300円ぐらい)
携帯折り畳みウレタン座布団
カメラ フィルム24枚2本
防水マッチ(結局使わず)
細引き4m(結局使わず
)日焼け止めトイレットペーパー(芯を抜いたもの)
スーパーのビニール袋2
洗濯バサミ1
ビーチサンダル(山小屋周りを登山靴に履き替えて歩く為に)
イヤウィスパーの耳栓
保険証

これだけを入れるとザックはほぼパンパンです。フリースが一番かさ張ってました。今回は登山で常備している緊急ビバーク用のツェルトは持って行きませんでした。

【登山】27日 晴れ05時40分 東京都葛飾区の家を出発。JR常磐線「金町」駅から千代田線「西日暮里」乗換え山手線

06時44分 新宿発中央特快高尾行乗車。高尾で富士急河口湖直通列車に乗り換え。途中、車窓から見た八王子駅はアルプスへ向う重装備の登山グループで一杯でした。

09時25分 河口湖駅着。予想していた程富士登山へ行く人の下車は多く有りませんでしたが、9時35分発のバスは増便が出ていました。駅前からは富士山がはっきりと見えて、「いよいよ登山か」と気合いが入ります。我々は次のバスに乗るので、ゆっくりとジュースを飲んだり、メンバーの内、 Eさん、Hさんの2人は金剛杖を購入していました。駅前に居た案内のおじさんに「今日はどこまで行くの」と聞かれて「白雲荘です」と答えると、「あそこの売店で予約の確認をしておいた方がいいよ」と言われました。駅前広場に面した土産物屋で聞くと「何人で予約してますか。4人ですか。お名前は」というので名前を言うと「1人5千円で4人で2万円です」「ここで料金払うんですか」「はい。宿泊券をお出ししますので」ま、前の人も同じ様に手続きしていたので、何だか予想していなかった事でしたが、ここでインチキも無いだろうと料金を払うと、白雲荘宿泊券をもらいました。食事や弁当の事は現地に行ってから頼んで下さいと言われました。(後で白雲荘に着いた時、この手続きに問題は無かった事が判りましたが、夕食、翌日の弁当、消費税は別途白雲荘の受け付けで徴集されました。河口湖駅前の売店に寄るというのは、考えて見れば白雲荘宿泊者でも少数ですから、この手続きは特に必要とも思われません)

10時05分 気温31度。河口湖口五合目直通バス乗車。バス停の所で、机に座ったおばさんから切符を買います。片道1700円。往復2000円。往復を購入。満席で増便が出てました。五合目近くになると車が渋滞していましたが、路線バスとタクシーは優先なので渋滞している車の列を横目にスイスイ通過しました。五合目のかなり前から車道を登山装備で歩いているパーティーがいます。多分、五合目駐車場に入れないのでかなり手前の駐車場にマイカーを止めたグループなのでしょう。

10時50分 五合目到着。ここは2300メートル地点なのにちっとも涼しくありません。観光地そのままの雰囲気で、売店から安っぽいスピーカーで音楽が流れていました。静けさとは無縁、喧噪の世界。次々と団体ツアーが到着して、ガイドの説明を聞き出発してゆきます。周辺の山が青く見えて綺麗でした。ここで昼食。高度順応の為、1時間ぶらぶら過ごしました。日焼け止めを塗りました。途中、丁度前日夜から富士登山に挑戦していた同じ職場のKさんと小学生の息子さんが下山してきたので(携帯電話で連絡を取っていました)、話を聞きました。息子さんが高山病になって、3200メートルちょっとの所で登山を断念して下りてきたとの事。Kさんは全く平気だったそうです。息子さんは山小屋に泊まってから歩き出して気分が悪くなり、携帯酸素を吸ったとたんに吐いたそうです。自分達はどうなるのかメンバー全員不安になりました。

11時50分 五合目出発。下山してきた人達とすれ違うが皆疲れた表情。下りの道を歩きながら、これが帰って来た時に辛い登り坂になる坂だなと思いました。道は全く問題なく、快調。

12時20分 2390メートル。富士山安全指導センター。5分休憩

12時50分 10分休憩 富士山の登山道とはどういうものか判ってきた頃です。拳大の石がごろごろしていて登りにくいこと。

13時15分 2700メートル。「花小屋」。気温24度。少し風が出てくる。5分休憩

13時35分 「トモエ館」通過。大きく吸って大きく吐くという呼吸。ペースを乱さず歩く。米軍横須賀基地の外人グループは半袖半パンの軽装でかなり早いペースで登って行くのですが、その分、途中の休憩も長く、結局我々と変わらないのが可笑しかったです。このあたりは溶岩のゴツゴツした中を登ってゆきます。この方が登山靴のグリップが効いて登り易かったです。

13時55分 2850メートル。「富士一館」通過。気温23度。5分休憩

14時30分 5分休憩 随分上に白雲荘が見える。ふーっ。

14時46分 3000メートル地点通過。普段、我々は奥多摩や丹沢で1時間で標高300メートルのペースなので、やはり空気が薄いせいかペースが遅くなっているのが判ります。

14時55分 3100メートル。「太子館」通過。計画時はここが宿泊予定だったが。。。

15時10分 5分休憩。相変わらず登山道は登りにくい。石ゴロゴロ。少しづつ白雲荘が近くなってきますが、疲労も濃くなってきます。右足太腿が攣りそうな前兆。少し早く歩こうとすると頭がくらくらします。焦らず深呼吸を繰り返し、ペースを落としながら、しかし、止まる事なくゆっくりと登りました。後頭部、頭皮に近い部分が時々痛くなる。高山病の始まりか。とにかく深呼吸を繰り返してペースを乱さず登ることに専念します。

15時35分 3200メートル。「白雲荘」着。「着いたー」ホッとしました。受付で名前と人数、今日の夕食と明日の朝食の弁当をお願いしました。宿泊券を出し、残金を精算。登山靴を脱いで下駄箱へ。荷物を持って寝床に案内されました。2段の下段。「ここからここまでに寝て下さい」と言われたのは大人が2人がやっと寝られるぐらいの幅(に見えました)。つまり、頭と足交互に寝るということです。頭をぶつけない様に寝床に入り、天井のフックにザックを引っ掛けましたが、この時、窮屈な姿勢を取った為に脚が攣りました。通路にザックは並べておいた方が特に夜中に出発する人にはいいと思います。入り口の広間でゴロっと横になります。ビールを飲みたかったのですが、止めました。1本500円のペットボトルウーロン茶を2本買って飲みました。小屋の前を通る登山道には、持って来た
ビーチサンダルを履いて出て景色を楽しみました。小屋備え付けのサンダルもありましたが、6足ぐらいしかなく、直ぐに無くなります。ちょっと出るのにわざわざ登山靴を履くのは面倒です。これは過去に丹沢の山小屋で経験済みでしたのでビーチサンダルを持って来たのです。

16時30分 夕食はカレー。夕食は早めに食べました。残念ながら美味しいカレーではありません。お代りもできません。これで1000円取られるのが嫌な人は夕食を頼まず、自分で用意した方がいいでしょう。但し、荷物が多くなります。翌日の朝食の弁当は夕食時に配られました。赤飯に漬け物が付いただけの簡単なもの。これも1000円。考え方なのですが、山小屋に泊まるのは食料を担いで来る負担を軽くする事と割り切れば、問題はないと思います。
メンバーに百円ショップで買った花のアクセサリーの付いたヘアバンドを渡し、各人の靴に目印として付けさせました。暗い中、下駄箱に同じ様な靴が並んでいると探しにくいし、また間違われても嫌だからです。

17時30分 仮眠。頭と足交互でイワシの缶詰状態。耳栓をする。寝返りもままならず、隣の人が足を動かすとその爪先が自分の脇腹に当って。。。早くから眠る体勢に入ったのですが、全く眠れませんでした。うとうとしかけると、暗闇でのヘッドランプの使い方の下手な人がいて、まともに顔を照らされたりして。。。とにかく私にとって、寝るには窮屈すぎました。

23時30分 起床。出発準備。窮屈な姿勢から解放され、ホッとしたのが正直なところでした。広間では遅い食事をしている人、身支度をしている人、とにかく忙しい感じです。登山道はひっきりなしに頂上を目指す人が通っていました。長袖シャツ、タイツは暑いので着ませんでした。(この2つは最後迄使用しませんでした)今迄登ってきた半袖登山シャツの上にゴアテックスレインウェアの上着を着ました。服装にプラスしたのはこれだけです。寒さは全く感じませんでした。

28日00時00分 白雲荘を出発。気温12度。ヘッドランプのスイッチを入れてペースを乱さず歩きだしました。

00時30分 休憩10分。話には聞いていましたが、登山道は人で一杯でした。特に30人から40人の団体ツアーと一緒になってしまうと、とたんに進み方が遅くなってしまいます。かと言って狭い登山道で団体を抜かすのは難しく、ペースを急に上げると空気が薄いのでくらくらしてしまいます。少しづつ抜かして登りました。

00時45分 3400メートル地点通過。石がゴロゴロした歩きにくい道が続きます。登山道の脇には高山病の影響かうずくまっている人がかなりいました。このあたりから登山道は渋滞で、正月に浅草の浅草寺に初詣に行った時の仲見世通りの歩みと全く同じペースです。ただ、ゆっくりしているせいで疲れるという感じはありませんでした。

01時23分 3450メートル地点「御来光館」通過。山小屋の前で立ち止まっている人、ベンチで休んでいる人の間をすり抜けて歩いてゆきます。金剛杖を持った2人も焼き印を順調に押してもらいながら、歩いていますが、気分が悪そうでした。

01時40分 休憩10分。団体ツアーのガイドの人が点呼の為に張り上げる声が至る所で聞こえて、下を見ると延々とヘッドランプのを点灯した人の列が続いていました。

02時10分 9合目。3600メートル通過。あと100メートルだ。上の方に見える明かりが頂上だと信じて進みますが、登山道が大渋滞して、少し進んでは止まるという事の繰り返しになってきました。暗闇で「オー」と叫んでいる人がいたので、気合いを入れているのかと思ったら、嘔吐している人でした。一度、2メートルぐらい上の登山道にいたおばさんが、渋滞で止まって入る時に足を滑らせて悲鳴とともに仰向けにひっくり返りました。同行の人が咄嗟に腕を掴んで転落は避けられましたが、まともに落ちていたら大けがしていたに違いありません。疲労が溜まってくると何でもない所でバランスを崩したり、躓いたりするので注意が必要です。この辺りまで来ると、ほとんどの人のヘッドランプの明るさがぼんやりとした明るさになっていました。それに比べて、私の
ぺツルのヘッドランプZIPKAは全く明るさが落ちず、とても明るく、足下をはっきりと照らす事が出来安心でした。値段は高いですが、お勧めします。Hさんも同じぺツルのヘッドランプを購入しており、2人で照らす登山道はとても明るかったです。Eさんのペンライト型懐中電燈は途中球が切れて使い物にならなくなりました。ガイドの人達が、「とにかく止まらず、体力の無い人はゆっくり登って下さい、体力のある人は右側を登って下さい」とあちこちで叫んでいました。いやいや大変な状況でした。

03時10分 頂上。3700メートル。やったー。拳を突き上げて頂上に到達しました。3200メートルの白雲荘から500メートル登るのに3時間以上かかりました。最後100メートル登るのに1時間かかっていました。我々は売店前のベンチに座って御来光を待ちましたが、混雑と、売店の売り子の声で騒々しい。じっとしていると寒くなってきたので、フリースを着て、その上にゴアテックスレインウェアの上着を着ました。登山ズボンの上からゴアテックスレインウェアのズボンをはきました。さらに冷えるので、スキー用の毛糸の帽子を被り、ゴアテックスの手袋をしました。これで全く寒さは感じなくなりました。風が無かったのが大きかったと思います。気温5度ぐらい。吐く息が白くなるという事はありませんでした。

04時45分頃 雲海の中、御来光。多くは語りません。見た人にしか判らない神々しさがありました。売店の前は非常に混雑して見にくかったです。売店の兄ちゃん達の呼び込みの大声がうるさく、売店から離れた所に移動して見る事をお勧めします。御来光の時に売店から「君が代」「富士山」の曲をスピーカーで流してました。いい加減、頭の悪い過剰な演出は止めて欲しいと思いました。

05時30分頃 売店前から大日岳方向へ移動。山頂の河口湖登山口付近売店前は次々と登って来る人が溢れて、ものすごい混雑。ラッシュ時の山手線と同じ状態でした。メンバー、トイレなどへ行く。腰を下ろして休みました。富士山は溶岩の岩、石がごろごろしているので携帯折り畳みウレタン座布団が非常に役立ちました。弁当を食べましたが、食欲が無く、半分残しました。

05時50分頃 ゆっくりとお鉢巡りに出発。4人の中で私、Aさんは元気、一方EさんとHさんは高山病なのか足取りが重かったです。体験記にお鉢巡りは反時計周りに行くのが良いと有りましたが、再び売店の前の大混雑の中に突入するのが嫌で、古来基本の時計周りになりました。伊豆ガ岳の先で段差を降りる所があるので、注意して下さい。金剛杖、ストックは先に降りた人に渡してから降りた方がいいでしょう。雲海がとても綺麗でした。銀名水近くで火口をバックに記念撮影。富士山頂郵便局で葉書でも出そうかと思っていましたが、ここも長蛇の列。止めました。ここでトイレ休憩。トイレも長蛇の列。

06時50分 剣ガ峰。剣ガ峰への登りは急斜面。足下がざらざらして滑り、登り辛い。最高地点は3776メートルの標識を入れて記念撮影しようとするカメラ渋滞。長い列。並ぶのが嫌だったので標識は入れずに記念撮影をしました。Hさんの疲労が濃く、休憩を十分取りながら残り半周。陰富士も堪能。Eさんも疲労が濃く「お鉢巡りが地獄巡りになってしまった」とぼやいていました。個人差があるので、グループでお鉢巡りをする時はリーダーは他のメンバーの状態を十分気づかう必要があります。

07時45分 河口湖下山道から下山開始。下山前にペットボトル飲料水購入。下りはじめると五合目まで売店はありません。六合目の売店は閉っていました。水切れは大変です。私は六合目の売店を当てにしてペットボトルを1本しか購入せず大変苦しかったです。靴の紐を締め直す。スパッツを靴に取り付ける。下山時にして初めてマウンテンストック2本を使用。楽です。下山者が起こす埃がすごく、下山をする人はタオルで口を被う様にしている人が多かったです。メンバーに防塵マスクを配る。サングラスの上から防塵ゴーグルを付ける。防塵ゴーグルは良かったのですが、私は汗かきなので、顔をマスクとゴーグルで覆って直射日光の中を下るのはたまらなく暑く、途中でゴーグルは外しました。延々と続くジグザグの下山道はブルドーザーでならしているので全く危ない所は無いものの、石がごろごろで、足を乗せた石がごろっと回転し、仰向けにひっくり返りそうになるので大変です。実際転んでいる人が多かったです。調子に乗ってスピードを付けて下って行くと膝関節を傷めるので、注意した方がいいです。若い人でも膝を傷めて動けなくなっている人が何人かいました。多くの体験記に記されていますが、
下山道は単調で長く苦痛でした。天気が良かったので陽が遮られる事なく暑く、もちろん木陰もありません。後でAさんが丹沢大倉尾根の下りの方が楽と言っていました。同感です。

08時25分 須走口との分岐点。事前に注意していれば、間違えた方向に下りてゆく事もないと思いましたが、疲れていると判断力が低下するのは事実です。下山道のジグザグ道は3350メートル須走口分岐点、2950メートル緊急避難所、2600メートル公衆トイレ以外に目標物がありません。よってグループで各人のペースで下り始めると再度落合う場所が決め難く大変です。なるべく固まって下りましょう。先行する人は必ず後のメンバーが来るまで待ちましょう。メンバーが揃わず苦労しているツアーが多かったです。そこで、これは登山道管理者へのお願いなのですが、下山道の曲がり角ごとに番号を付けた標識を付けたらどうでしょうか。例えば山頂からジグザグ道が終わる所までカウントダウンで数字が減ってゆくように標識を付けておけば、グループで来て「次は31番の標識の所で集合です」と言っておけば、はぐれる事は少なくなると思います。何より目標が判り励みになります。実際下山道を下りた事のない人にはピンと来ない事かもしれません。時々休憩しながら下りて行きました。下を見ると、遥か下へ延々と続くジグザグ道に針の頭程の人影がこれまた延々と歩いていて、シュールな世界ですよこれは。メンバーが足を傷めて動けなくなり、携帯電話で連絡をしているグループもいました。長かったジグザグの下山道がようやく終わってやれやれと思いました。でも、やたら遠い所に六合目の建物が要塞の様に見えた時は、ガックリ来ました。疲労と水切れで馬に乗りたくなりました。足を痛めた人が何人か馬に乗って追い越してゆきました。昨日元気に歩いた六合目から五合目への何でもない様な坂が堪えます。平坦な所でもストック2本で地面を押し出す様に突いてリズム良く歩く事に努めました。暑くて、水が飲みたくてたまりませんでした。

11時00分 河口湖口五合目到着。メンバーと握手。これから登山する賑やかな団体ツアーの横を通り過ぎ、慌ただしくバス停へ。

11時15分 河口湖駅行きバス乗車。熟睡。

12時10分頃 河口湖駅着。早速、売店でジュースを買って飲む。駅の横の水道で顔を洗いました。スパッツを外すと片方のスパッツの靴底を回すゴム紐が切れていました。あの下山道ではそうなるだろうと思いました。駅近くの蕎麦屋にてビールで乾杯!とにかく無事全員帰ってこられた事が良かったと思いました。

以上が我々の富士登山体験記です。少しでもこれから挑戦する人の参考になる部分があればと思います。

【最後に】
 我々は富士登山を決めてから実際に登山するまで半年以上あり、富士登山に備えて意識的に長時間登山道を歩いたり、標高差のあるコースを行ったりという事が良い経験と自信になりました。何よりも自分がどれくらい歩けるのか分かっていないと危険です。山は登るだけではなく、下りてこなくてはいけません。経験の無い人は登りで100パーセント力を出し切ってしまうそうです。経験を積んだ登山家は3、4割の力で登って、何があっても大丈夫な様に残り5、6割で下りてくるそうです。

東京在住の方で長期計画で富士山を目指す方は、事前に準備の為、我々が登った幾つかのコース中で、以下のコースを歩いてみてはいかがでしょうか。荒天にならない限り、雨の日も経験しておいた方が良いと思います。但し低山の為、夏は暑くてバテますから注意。全て日帰りコースです。

高尾山から陣馬山縦走 599メートルの高尾山から城山670メートル、景信山727メートル、陣馬山857メートルを結んで歩く。全長25キロぐらい。厳しいアップダウンはありません。初心者が歩くペースを掴むのに最適。エスケープルートも多く、体力に合わせて計画できます。

本仁田山 1225メートル。奥多摩駅のすぐ後ろに聳える山です。奥多摩駅から歩いて登って、鳩ノ巣駅へ。奥多摩駅と本仁田山の標高差が約840メートルなので、富士登山で河口湖口五合目2300メートルから登って、八合目3100メートル付近の山小屋で泊まる事を考える人には良いと思います。結構きついコースですが、自信になると思います。

鍋割山から塔ノ岳 丹沢。小田急線渋沢駅からバス11分、大倉下車。後沢乗越経由、鍋割山1273メートル。塔ノ岳1491メートル。大倉尾根を下り大倉へ。大倉と塔ノ岳の標高差が約1200メートル。富士山の下山道とは全く趣が異なりますが、長い下りを体験しておくのは貴重な経験になります。仕上げに最適。

このホームページのみなさんの体験記は普通のガイドブックには無い貴重なアドバイスが多く、大変役立ちました。体験記を寄せていただいた皆様、ホームページ管理者の方にお礼を申しあげます。

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■27  富士山登頂日記(初めて登頂に成功!!)

今年8月8日から10日にかけて初めて富士登山してきました。「後悔しない富士登山」を参考にさせて頂きました。

4、5年前位からいずれは日本一高い富士山に登頂することを最終目標として3年前から実際に登山を始め近郊の登山(1000m程度位)で練習してきて最近になりやっと目標を達成すべく実施することになった。常日頃、車で通勤しており休日でも車で移動することが多くあまりそのための運動をしていない状況での登頂。

しかしながらやはり富士山は雑誌を買って写真と少しの説明文を見ただけでそれ以外の情報があまり無く登頂した経験がある先輩たちにも色々と聞きましたが当時の古い情報しかなく色々と思案の結果グループツアーに参加した。

8月8日(木)京都駅を観光バスで夜11時位に出発。名神・東名高速での車中で富士5合目到着まで睡眠を取る予定だがバス内は狭く少々興奮しているせいか仲々十分に眠れず。

8月9日(金)朝7時過ぎに富士5合目「雲上閣」に到着。朝食を取りその後の休憩時間に少し睡眠を取ることができ、ゆっくりと過ごす。これが後で思うと高山病の防止になったと思う。全員で記念写真を撮ったあと昼食後に吉田口から富士8合目を目指し出発。

途中はなだらかな道のりでしたが馬の糞とにおいが非常に気になった。ゆっくり歩けばバテルことも無いと思い行列の最後の添乗員の直前を歩いたが、ペースが遅くさらに歩く速度が一定しないために逆にバテル結果となった。一時天候が崩れ雨脚が強くなり雨具を使用しましたがそれ以外は曇りがち程度。夕方4時ごろ仮眠先である8合目「太子館」に到着。

山小屋到着順に寝袋が置いてある2段ベッドに並べられた。(表現がよくないですが実際その通り。)夕食(定番の黄色いカレーライスのみ)後山小屋の親爺からの話を聞く。1. 深酒は差し控えること。(高度3000mではアルコールの廻りが速く悪酔いになる。)2. 睡眠を十分取ること。(高山病予防。)夕食後夜中に出発するために仮眠を取ることとしたが、これが又回りが騒がしく仲々睡眠が取れないままに出発。朝食はこの山小屋が温めた釜飯パックを用意頂いたが結局仮眠・移動の為に食べる時間がなく自宅まで持って帰ってきた。(今思うとこの朝食は必要なかった様な気がする。)山小屋で就寝前自宅に携帯電話(Docomo)からメールを打つが受信状態が悪く送信はできるが受信ができない状態が続く。止む無く、後で返信内容を見ることにした。

午後11時過ぎに山小屋を出発しましたが何人かがこれ以上登れないとのことで山小屋で過ごす。(この山小屋でもご来光も拝めるとのこと。)頭にはヘッドランプ、防寒のためウインドブレーカの下にフリーズセータを着る。(これは後で思うと軽くて防寒には非常に良かった。)

いざ出発したがヘッドランプを生まれて初めて使用するため、頭での位置が分からないまま歩き始めるが、地面のでこぼこ、石の位置などが掴めにくい、歩きにくい。。。ただこまめに電源を切らなかったせいか最後は電池が切れていた。

8月10日(土)途中で何度も休憩を取りながら進むが昨晩の睡眠不足、常日頃の運動不足などが祟り思う様に足が動かない!! 歩いてもすぐにザックを持ったまま座り込んでしまう有様。先に行く人に「大丈夫ですか?」と声を掛けられる。他のメンバーは先に進むが仲々動けず何度も断念しかけるが再度の登頂挑戦はいつになるか?と思いつつ持ち前の気力と精神力でご来光寸前(10分前)に登頂することができた。(今までで一番苦しい思いをした様に思えた。)

風が強く、さらに気温が非常に低い為手袋をしたが手が悴んでご来光の写真がうまく取れない。登頂時は非常に天候は良く、すばらしい綺麗なご来光を見ることができた。


結局はメンバーの39名中31名が登頂できた。

寒い中体を温める熱い飲み物を捜す。集合場所である「山口屋本店」で350ml缶コーヒーが1400円でありこれにはびっくり!! ただ醤油ラーメンを注文した人ができた時点で見つからず店員が困っていた。人ごみの中で超豪華(高価)で暖かい飲み物を飲み一息付く。

集合後に噴火口廻りを見学後はゆっくりする暇も無く下山開始。長〜い道のりが続く。登りより下りが距離も長く大変。道にまっすぐに歩くため足の爪が痛く横向きに足の方向を変えて下りる。

下りも非常に天候は良く最初はウインドブレーカ+フリーズ+長袖Tシャツ+半そでTシャツであったが最後は気温が高く半そでのTシャツ1枚となった。ただ 砂煙がすごくメガネからザックなどに火山灰が一杯付く。さらに日差しが強く顔、手の甲が真っ赤に日焼け。途中の山小屋でトイレに行ったが長い行列待ちで、さらに使用料を強制で200円取られたが使用後の手洗いの水無しで止む無くペットボトルの水で手洗いした。(勿体無いことだが水は本当に貴重品です。)

下山に5時間掛かって10時20分位に腹は減り、喉は乾く、でくたくたになりながら5合目の「雲上閣」に無事到着。(途中で何回も休憩を取りすぎて他のメンバーもバテバテ気味。)土産を少し買いすぐにバスに飛び乗りツアーOPTIONの「河口湖健康ランド」までスバルラインを通り1時間掛けて移動。ここで温泉らしき風呂に入り昼食を取り少し生き返った感じ、さらにやっと待望のビールに在りつけた。後はバスで帰るのみ。

帰りはお盆休み突入寸前に付き、高速道路での大渋滞が予想され慌しくバスに乗り込む。予想通り高速道路で渋滞続き、最終京都駅に計画の約2時間遅れで到着。何はともあれお疲れ様でした。ここで同行したツアーメンバーとお別れの挨拶。

最後に今回の富士山登山で気づいたことを記します。
1.持ち物
・ ブリーズ・ライトこれは実際に使用したが効果があったかは不明。“メントール”の香りつきなどがあり時々鼻の上から押すことにより香りがあり気分転換にお勧め。山小屋での就寝時いびき防止にも利用可。
・ ウイザーインゼリーなど補助食事山小屋などの食事は量が少なく持参することをお勧めだが持参する量に注意。(ザックが重くなり過ぎバテる要因になる。)
・ 体を拭くウエットテイッシュ風タオル(品名:ボディーペーパーさわやかな香りつき)山小屋では風呂は無い為に汗ばんだ体とか足の裏を拭くのにお勧め。これは山小屋で他人と一緒に寝るときに汗と足の匂い消しにも有効。
・ 手袋これは軍手などより防寒用手袋をお勧め。
・ ザックに入れる物兎に角、少しでも荷物軽くなる様にすることをお勧め。水、補助食事などは最低限必要な分のみとすること。水とスポーツドリンクは価格は高い(500mlペットボトル入りで最高500円位)が山小屋での入手可。
・ 靴と靴下 可能ならば持つ荷物の重量に合った靴底の固い登山靴を使用することをお勧め。下山後の足の疲労が断然違う。さらに靴下は薄いもの1枚、厚い登山用1枚を重ねて使用し就寝時には匂い防止の為次の分に履き替える。

2.その他
・ ツアーなど行列で歩く場合は先導に近い位置がお勧め。先導に近い方が歩くペースが一定しているために長い工程全体をみると疲れにくい。
・ 高山病対策今回あまり気にしていなかったが回りが神経質になっていたのでポイントをを下記します。
@ 兎に角、睡眠を十分に取ること。例え30分でも熟睡する、横になるなど。これはさらにバテ防止にもなります。
A 呼吸方法を意識して変える。2回はいて一回吸うの繰り返し。これは自分が疲労していればうまく呼吸できなくなることが分かる。
B 5合目で十分に休憩時間(4時間から5時間)を取り体を慣らす。・ 着替えこれは温度差、天候の変化に伴う着替えを頻繁に行うこと。登山時は晴天であれば汗を吸ってすぐに乾燥するタイプのTシャツ1枚で十分です。但し、風と天候変化に注意が必要。ウインドブレーカとの組み合わせがベター。登頂近くでは十分なる重ね着などの防寒対策が必要。上着は雨具で兼用も可。
 以上

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■28 貧乏隊登山体験 (須走口 夜行日帰り)

 職場の仲間4人とダイエット目的で始めたスポーツジム通いも半年ほど経過したので、その効果を確認するべく、富士登山計画が始まりました。

 まずは、ルート選定。鍛え上げられたマッチョボディー!?の実力を確認するためには、やはりハードな須走口がベスト!!というわけで須走口に決定。

 日程は、混雑しそうな週末は避けて木曜日の夜出発ということになりました。中でもお盆前、好天が期待できることから8月8日に決定!あとは道具を揃えるだけとなりました。

 しか〜しっ!ここで問題が発生。メンバーの1人がマイホームを購入したばかりということでお金が全然ないことが判明。ということで今回の富士登山は貧乏仕様で行くことになりました。貧乏仕様ですが最低限必要な物は揃えないと遭難する可能性があるため、トレッキングブーツ&酸素を購入。あとは、砂埃からガードするためのマスクを薬局で購入しました。スポーツ店の店員(かなり登山やってそうな人)に砂走りをするならスパッツが絶対必要と強力に勧められましたが、貧乏隊は裾を布テープでグルグル巻きにするから必要なしと判断。ザックカバーも東京23区指定のゴミ袋でバッチリ?雨合羽は職場で支給された物を有効利用しました。

 そして運命の日、8月8日、仕事を終えて隊長のVIPカーでいざ出発!中央高速からふじあざみラインを経て須走口新五合目に22:00到着。途中、鹿が我々のことを見送ってくれてました。駐車場に着いて空を見上げると満天の星!星!星!ものすごい星の数に一同大感動!!東京の1000倍はあろうかというくらいの星の数です。しかも天の川もバッチリ見えました。気温は15度くらいで運動前の体ではちょいと肌寒い感じです。

 23:00。快晴・無風の中、服装・装備を整え軽い足取りでスタート。初めは樹林の中を歩いて行きます。登山客は少なく、ゴツゴツした岩が多いためかなり歩きづらいです。出発から2時間後6合目に到達。まだまだ余裕です。水分や糖分を補給しながらさらに登ります。途中、流れ星を何度か見ました。物凄く綺麗でまたまた一同大感動。

 7合目までは快晴・無風でしたが、7合目を過ぎたあたりから、風が出てきました。ヒュー!ヒュー!風がどんどん強くなります。8合目あたりでは台風かと思うほどの強風に加え霧が発生。貧乏隊ピンチ!!このままでは御来光が見えないのでは?という不安を抱きながらさらに登ります....。

 8合目に着いたのが3:30頃、山頂での御来光は余裕と思っていましたが、別ルートと合流したとたん全然前に進まなくなりました。結局山頂での御来光は諦め9合目付近で御来光を拝むことに。しかし、霧が濃いため全然見えません。あ〜ついてないと諦めかけていたそのとき、奇跡は起きたのです!!あんなに濃く張りつめていた霧が嘘のように晴れわたり御来光が....。雲海の中から神々しいまでの光を発しながらゆっくりと登る太陽。貧乏隊ついにやりました!御来光を拝みました。

 その後ゆっくりと山頂まで登り、貧乏隊ついに日本制覇。予定では5時間30分で登るはずが6時間30分かかってしまいました。登頂後、お鉢巡りをする予定でしたが山頂は物凄い風です。生命の危機を感じたため、貧乏隊涙ながらの撤退決意。結局、真の頂上である剣が峰までは登れませんでした。グスン。気を取り直して山頂でおみやげ購入&朝食【ラーメン(サッポロ一番しょうゆ味)800円!!】を食べて下山開始。もちろん下山前に貧乏仕様(布テープ&ゴミ袋)にしたことは言うまでもありません。

 下山は登りに比べてかなり楽です。8合目を過ぎると風、霧も無くなり快晴!気温も上がってきたため上着を脱いで温度調整。余裕余裕と思ってましたが....。

 しか〜しっ!油断は禁物です。下っている途中ふと隊長の顔を見ると泣いているではありませんか。そうか、隊長の責任を果たし感動しているんだなと思っていたらどうも様子が変です。隊長だけサングラスをしていないんです。そうです、下りでは砂埃が半端ではないのです。マスク&サングラスで防塵対策をしないと、口の中はザラザラ、目はイタイイタイで大変なのです。私は隊長にサングラスを貸して隊長復活!!

 そしてついにクライマックスの砂走りです。砂走りとは須走ルートの下山道にある7合目から一気に駆け下りるルートです。足首くらいまで砂に埋もれますがガンガン飛ばしていけますのでかなり楽で速いです。「うぉ〜!!!!!!!」声を上げながら猛ダッシュ!!途中何人抜いたか解りませんが、多分一番速かったと思います。砂走りが終わってゴォーーーール!?と思いきや、まだ終わってませんでした。5合目でした。これからさらに新5合目まで下ります。看板には30分と書いてありましたが、1時間程度かかりました。そしてついに感動のゴォーーーールです。結局、下山は2時間30分。登りの6時間30分に比べて半分以下の時間で下ってきました。メチャメチャ早くない!?

 4人とも無事下山してマッスルボディーであることが証明されました。今回の登山を通じて感じたことは、ゴミを捨てていく人がたくさんいるんだなぁということです。そこら中にゴミが捨ててありとても不愉快でした。

 我々貧乏隊は今後登山の計画がないため、このような貧乏装備で登りましたが、備えあれば憂いなしです。今後も登山を続けようと考えている方は、装備を完璧にして登りましょう。スニーカーで登っている方がたくさんいましたが、岩がゴロゴロしているし、霧で濡れてしまうためとても大変そうでした。

 みなさんも自分の体力を確認するため登ってみてはいかがでしょうか?無理して山頂まで登る必要はないと思います。あの綺麗な星空を見るだけでも充分だと思います!!

   貧乏隊 隊長 S口、副隊長 K戸、隊員1号 T見、隊員2号 M田

 富士山のゴミは世界的に有名となっているようです。ヒマラヤでも日本隊のおいていくゴミが問題で「ヒマラヤを富士山のようにするな!」と言われるらしい。先日あった外国人からも富士山はゴミがひどいらしいですねと言われてしまいました。ナサケナイ 霊峰富士とか言っちゃって、霊峰にゴミを捨てたり自衛隊が大砲を撃ち込んだり・・どうなんでしょう・・

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■29 登りました 

 8月9日、我が家の4人(子供は小4と中1)は登頂しました。

 二度目だというのにまだ甘かったと反省してます。ご来光に執着がないのと、山小屋に泊まりたくないと言う理由から日中登山にしました。朝、支度に手間取って出発時刻が遅れ駐車場がいっぱいだったため五合目より一キロ程下の駐車場からの山登りとなりました。二時か三時頃には頂上に着けるとたかをくくっていました。高山病が怖くてゆっくりペース過ぎたのと途中強い風が吹いたのが災いしてなんと、5時半頃やっと頂上にたどり着きました。頂上は寒くて強風のため喜びを味わうのもそこそこに下山にかかりました。七合目あたりで満天の星空。(月がない、真っ暗)下山がまさか夜になるとは思っていなかったので懐中電灯を持っていなかったのです。最大のミスでした。暗くなってからペースが落ちたので、下山に4時間半くらいかかってしまいました。

 予想以上にしんどかったー。しかし得たものも予想以上に大きかったと思います。
富士山に大きな贈り物をもらったようです。出会ったほかの登山者とも心の交流がありました。外人さんたちとも片言英語で励ましあったり、褒めてもらえたりしました。85歳で、五回目というかたには敬服いたしました。六合目で登山者の人数を数えていらした地元の方、大変なお仕事ですね。毎日登ってる人もいるよとのことです。

三日目なのに、私は筋肉痛と、疲れと、ひどいむくみからまだ開放されていないのですが、子供たちの回復力はめざましく翌日にはもう元気で、翌々日には一日カヌー体験に挑戦していました。心配したのに‥。

それから、杖の代わりにスキーストックを持って行ったのですがこれが重宝しました。(特に下山時)子供用の短いのがよいようです。ホームページでおしえてくださって助かりました。ありがとうございました

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■30 8合目でタイムアップ(須走り口)

8月12日(月)に須走り口から登山しました。メンバーは会社の仲間たちで、30代前半から40半ばまでの総勢13人。中には富士山登頂2回の経験者やフルマラソン経験者も何人かおり、体力には自身のある面々でした。私はといえば、日頃から特に運動をするわけではなく、1ヶ月まえから、週末に近所の山(標高300mくらい)に登ったり、家でスクワットなどの筋力トレーニングをしました。

当日のスケジュールはハードでした。愛知の会社にAM3:30に集合し、東名高速で御殿場ICまで行って須走り口へ。その日の夕方までに下山する日帰りパターンでした。天気は絶好で、曇っていて直射日光もなく、登山日和だったと思います。途中ではきれいな青空も見えました。

AM9:00 予定よりも1時間半遅れで登山開始。売店のおばちゃんから、「日帰り登山ならPM3:00ころには下山を開始したほうがいいよ。もし何かあったら帰りが暗くなるから気をつけて」とアドバイスをもらいました。この時点で、体力に自身がない私は6時間で登頂は難しいと思いましたが、とにかくPM3:00までは上り続けようと決心しました。最初から、体力自慢の面々のペースにのまれることなく、マイペースでゆっくりと登っていきました。近所の山に登っていたのでそこそこの辛さにも慣れていました。しかし最初6合目の長いこと、長いこと。途中2度程全員で休憩しました。(私は遅かったので大きな休憩はせずにゆっくり上っていました)本6合目では最初で最後のメンバー全員顔合わせ(失礼、1人はすでに相当遅れてました)で、それ以降は各自のペースで登頂を目指しました。

6合目からは、もう一人のメンバーと二人でゆっくりと少しづつ上っていきました。この途中でかなり腹がへって、ちょっと作戦失敗でした。(最後の反省会では、腹がへったと自覚した時点ですでに体力が落ちていたことを確認し、事前の十分な食事が必要だと反省しました。)

6合目から7合目までの所要時間は50分という雑誌のデータよりも10分程度の遅れで7合目(新7合目)に到着。腹がへったので、持参した菓子パン1個とおにぎり1個を食べました。(でも足りませんでした)

7合目到着時には一人メンバーが既に休憩しており、合流しました。しばらく休憩して3人で8合目(実は本7合目だったんですが)を目指しました。

途中で高山病?っぽくなり、車酔いに似た症状がでました。少し立ちくらみがして、弱い吐き気がしてきました。(気持ち悪かったです)5歩歩いては30秒くらい休んで、気持ち悪さをなんとかごまかしていました。

このHPで教わった複式呼吸(フーフーを2回、十分に息を吐く)を再度意識し、少しづつ登っていっていくうちにだんだん楽になり、いつしか3人の先頭を休むことなく歩いていました。この呼吸法は登りはじめから意識していたんですが、途中で忘れていたのかもしれません。周りの人にも聞こえるくらい「フーフー、スー」とやってたら本当に元気が出て休憩がいらないと感じるほどでした。

そこうしているうちに休憩所について「やった8合目だ」と思ったら実はは本7合目で、がっかり。この時点で時計はPM2:00前くらいでした。(後で聞いたら、一番早いメンバーはこの時間に頂上についていたそうです。所要時間5時間です。速いっっ!ちなみにフルマラソン常連者です。)

さきほど合流したメンバーは、ここでリタイヤし、最初からの2人で本当の8合目をめざしました。(ところが実はこれも新8合目だったんですが・・・)相変わらずの「フーフー、スー」で極めて順調に登っていけました。不思議なくらい楽で、休みたいとも思わないくらいでした。順調に8合目に着いたと思い、時間もPM2:30くらいだったと思います。店のお姉ちゃんと話していたらこの上に本8合目があると聞き、ビックリ、ガックリ。ここまで来たからには時間のある限り登って、せめて「本8合目まで行った」と言えるようにと、再度登山を開始しました。そして本8合目に着いたのがPM3:00少し前でした。ここから頂上まで2時間くらいかかるとのことでしたから、時間的には無理だと悟り、悔しさ一杯をうどん一杯にぶつけて食事し、PM3:30に下山を開始しました。

とりあえず砂走りとやらも経験できましたが、結構長いですね。8合目からの下山でペットボトル1本を消費してしまいました。最初は楽しかったんですが、途中から、砂走り満腹状態。でもゆっくり降りてきたせいか、意外に順調でした。砂走り終点近くで、7合目リタイヤメンバー一人と合流後(足が相当痛かった様子)、林の中でメンバーのトップ下山チーム(頂上からの下山に2時間)とも合流し、5合目到着がPM6:00くらいでした。

ここで少しトラブル発生。登頂組の中で、砂走り途中に足を痛めたメンバーが2人発生し、最終下山は回りも暗くなったPM7:30でした。(この組は頂上にPM4:00過ぎに到着)お店のおばちゃんの予感的中。

今回の登山で13人中9人が登頂成功、2人が本8合目、1人が本7合目、1人が新7合目でした。体力自慢、若者組は全員頂上に到着し、日頃の体力作りの必要性を感じました。時間の関係で頂上まで行けませんでしたが、もう少し余裕を持ったスケジュールで次回がんばりたいです。?

ここのHPにはお世話になりました。
特に呼吸法は「フーフー、スー」です。恥ずかしがらずに「逆出産呼吸法」でがんばりましょう。

 簡単で大したことではないようですが、この呼吸法は非常に大切ですね。呼吸と速度のペースがつかめれば、時間はかかっても登頂に成功すると思います。

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